産業労働局の事務事業質疑を終えて(前半)

女性と若者の力で政治を良くする!都議会議員の茜ヶ久保です。

先週末11月30日(金)は経済港湾委員会の事務事業質疑の最終日で、会議が終了したのは22時頃でした。私は産業労働局の事業についての質疑をラストバッターとして発言しました。

東京都で実施している(事務)事業はなんと5千件!

東京都全体でみると、推進している事務事業(プロジェクト)は5千件にものぼります。金額の大小はありますが、それぞれ数千万円以上〜億単位のものが多いです。

それもぞのはず、一般会計だけで7兆円、公営企業会計も含めると13〜14兆円の規模の年間予算(スウェーデンの国家予算より多い)を動かしている東京都。そして職員の数も16万人と、東京都とは「人・物・金」が桁違いに大きな事業体でもあるのです。

しかし、そんな巨大事業体であるにもかかわらず、事業についての”見える化”はあまり進んでいるとは言えません。どんな事業があるのか、把握するためには分厚い冊子を読み込まなければなりません。電子化されておらず、都民の皆さんにはアクセスしにくい情報のままです。→この点は次回の一般質問で要望しておきます。

さて、事務事業質疑というのは、東京都が実施している(約5千もの)事務事業に対して、所属する委員が理事者(行政を執行する都の所管局)に対して公式に質問ができる年に1度しかない機会です。

もちろん、委員会という公式の場以外ではいつでも質問や議論することはできますし、日頃から行っていますが、毎年10〜11月に公式的な場で、該当する常任委員会が管轄する事務事業に対して質疑や意見表明をすることができることで、議員は理事者(都側)へのチェック機能を果たしていることを、正式な議事録として見える化しているのです。

私は2年目の常任委員会は経済港湾委員会に所属していますので、11月末までの期間で港湾局、中央卸売市場、産業労働局、それぞれの所管ごとに分かれて集中的に質疑を行いました。

産業労働局については、都民ファーストの会の議員全員が質問に立ちましたが、私も元経営コンサルタントとして、産業政策には大変興味がありますので、しっかり質問と意見表明をさせていただきました。

私は今回、中小企業対策と就業支援のテーマで質問しました。

中小企業対策について

  • 中小企業対策として約4千億円程度の予算があり、うち約3千億程度は金融支援(融資の原資)
  • 上記以外の予算額が大きな施策としては、販路開拓支援(321億円)、経営安定支援(64億円)、技術支援(98億円)、試験研究機関(72億円)

販路開拓支援

中小企業やベンチャー企業にとって、縮小傾向にある国内市場から伸び代の大きな海外市場へ販路を開拓することが経営上極めて重要。そのため都として販路開拓支援として321億円の予算を投じて支援しているが、その内訳を見てみると、90%以上が国際展示場や東京国際フォーラムの運営に宛てられているのが現状である。

Qまず国際展示場の運営にかかる213億円について、費用の内訳について伺う。

東京ビッグサイトの運営等に係る30年度予算の主な内訳は、大規模改修工事費が約28億円、土地を所有する港湾局への使用料が約52億円、将来の大規模改修の財源となる社会資本等整備基金への積立が約26億円、新たな展示棟等の施設整備費が約108億円。

Qまた国際展示場は、株式会社東京ビックサイトに貸付し、運営を行わせているとのことだが、契約内容について伺う。

東京ビッグサイトで、国内外の展示会を開催し、東京の中小企業の販路開拓を支援し、産業振興等を効果的に実現するため、その管理と運営を株式会社東京ビッグサイトが行う仕組み。

同社は、施設について、事務スペースを除き都から無償で借り受けて展示会の開催などの事業運営等を実施。この売上である会場運営事業収入の一部は都に納付をすることを義務付け。

Q売上の2割と定めている根拠は?

株式会社東京ビッグサイトが納付する資金は、同社が事業を運営しながら将来の東京ビッグサイトの施設の大規模修繕に備える上で適切な金額割合。

Q競争入札になっていない理由は?

東京ビッグサイトでは、都内の中小企業の販路の開拓に結びつく展示会を国内外から数多く確保するとともに、国際的な会議やイベントを含めたMICEを世界の各都市と競争して誘致することが必要な状況。

同施設で事業運営を担う株式会社東京ビッグサイトは、国際的な展示会等の開催を長年にわたり行って世界に営業のネットワークを持つ社団法人東京国際見本市協会と、晴海にあった見本市会場の管理運営で実績のあった株式会社東京国際貿易センターとを統合して設立しており、2つの法人の持つ優れた力を合わせた会社。

東京ビッグサイトの持つ重要な役割を的確に果たすことのできる法人として相応しい同社の能力を踏まえて契約を締結。

Q本来の目的に立ち戻ると、国際展示場での出展は、中小企業の販路開拓において、どのような成果をあげているのか。

東京ビッグサイトでは、平成29年度に312件の展示会を開催。国内外から1,442万人の来場実績あり。30年度も10月末までに188件の展示会の実施と来場者819万人の実績となり、中小企業の販路開拓のための場として、会場設営や消費活動などを通じて多大な経済波及効果を創出。

展示会の開催等による経済波及効果として、年間で、都内において約4,600億円、全国では約7,500億円に上ると推計。

(東京国際フォーラムの運営にかかる76億円についても同様に質疑したが、この場では割愛)

私の意見

  • 中小企業の販路開拓支援として予算化されている321億円のうち、オリンピックなどに関連した施設整備分が108億円含まれてはいるとはいえ、実に90%以上は国際展示場と国際フォーラムの運営に関するものであることは注目すべき点。
  • 展示会の開催等による経済波及効果として、都内年間で約4,600億円と推計される旨、ご紹介いただいたが、マクロな視点のみならず、実態として中小企業の販路開拓、ひいては業績アップにどれだけ役立っているのかの検証は、都としてしっかり取り組んでいただきたい。
  • 東京ビックサイトと国際フォーラムは、実質的にそれぞれ1社が独占的に都と取引できる契約関係になっている。国際フォーラムは都の監理団体だが、東京ビックサイトは報告団体とはいえ、民間の営利企業の一つである。歴史的な経緯もあって、現在の契約内容に落ち着いていると思われるが、民間企業に対して、国際展示場の土地と建物をほぼ無償、無期限で貸す仕組みは、都民感覚では理解しがたい部分も多い。
  • 東京ビックサイトは企業業績が大変よいとのこと。それは結構なことだが、本事業が本来の目的とするところの中小企業の業績に繋がるような事業構造になっているのか、しっかりと検討をいただきたい。大規模修繕費相当分として売上の2割を都に支払う契約になっているが、費用負担割合は適切なのか、営利企業として独占的に都の事業を受けている立場であることをふまえ、都民が納得できる契約条件であるかの検証を行っていただくことを要望。

経営安定支援

小規模企業対策として32億円の予算を計上しているが、その内訳は?(Q1)

商工会議所等と協力して小規模企業をサポートするため平成30年度に32億円の予算により施策を展開。そのうち25億円は経営の安定に向けた相談や情報提供などに活用し、その他7億円は地域の活性化に結びつく取組等の支援に活用。

具体的には、小規模企業の経営の安定を図るため、商工会議所等の経営指導員が巡回訪問や窓口で相談対応を行うほか、経営や技術に関する講習会の開催や国の融資制度の紹介や利用の後押しなどを実施。

今年度の相談実績は、9月末までに延べ73,221件、講習会は714回、融資の相談が3,508件。

小規模企業の発展に向け、地元の農産品を加工してブランド化する計画など、地域の活性化に結びつく商工会議所等の取組40件について支援。 

私の意見

  • 小規模事業者の身近な相談先として商工会議所などが役立っていることは理解したが、支援の内容については、小規模事業者の発展を促すことができるもの、時代の変化にあわせて不断の見直し努力されたい。

技術支援

革新的事業展開設備投資支援事業

次世代イノベーション創出プロジェクト2020

中小企業技術活性化支援事業:製品開発や新技術開発のほか、製品改良などを幅広くサポート。具体的には、中小企業が製品開発を始めた初期段階において、試作品の製作に用いる原材料の確保や大学への研究委託に必要となる経費を対象として上限100万円で2分の1の補助率で助成を実施。新製品や新技術の開発で必要となる機械装置導入や専門的技術に詳しい人材の確保などに必要となる経費について、その2分の1を対象として1,500万円を上限に助成を実施。国内外に新たに販路を開拓するため、市場ニーズや海外規格に適合させるための製品改良や国際認証の取得に必要となるコストについて500万円を上限に2分の1の補助率で助成を実施。

  • 3つの事業について実績や内容について答弁いただいた。概ね都の経済成長に寄与するものであると判断。特に次世代イノベーション創出プロジェクト2020では、大学や他企業などの社外連携を促す点、資金を助成するだけでなく、収益として成果があがれば還元される仕組みとなっている点は、評価できる。将来性のあるベンチャーに積極的に投資し、産学官で好循環を生み発展する仕組みになるよう要望。

東京都の助成金事業一覧

⬆️今年度の募集は終了しているものが多いですが、次年度ぜひチャレンジしてみてください。

知的財産活用への支援事業

Q近年増加傾向にある海外における知財戦略の相談へも対応。特許取得の助成やハンズオン支援も含めて幅広く支援を行っている。使われないままとなっている大企業等の保有する知的財産を中小企業が活用することで、中小企業の産業競争力強化のための支援を行っているとのこと。その支援の仕組みと実績について伺う。

 都では、大企業や研究機関の保有する活用の進まない特許や技術ノウハウを中小企業の新製品の開発の中で生かすためのサポート。

具体的には、中小企業振興公社に大企業の特許等を中小企業での活用に結びつけるコーディネーターを2名配置して、マッチング業務を行うとともに、特許等に関わる秘密保持やその利用に関する条件の設定のほか、共同開発に必要となる契約の締結についてもサポートを実施。

今年度は11月にマッチング会を開催して特許等を提供する大企業など7者と中小企業等40社者が参加して22件の個別相談を実施。

平成27年度の事業開始からこれまでに、共同開発の契約等の成立は14件となっており、このうち6件は製品化を実現。

  • 大企業で使われていない特許を中小企業の競争力強化につなげるためのマッチングということで、潜在的需要があると考える。より多くの企業にご利用いただけるよう、引き続き取り組まれたい。

試験研究機関

東京都立産業技術研究センター(略称:産技研)は中小企業の研究開発や技術支援を目的とし運営されている。30年度の運営費交付金の予算は約70億円。

毎年業務実績評価を受け、業務遂行については優れた進捗という評価を受けている。一方、業務目標に対する進捗評価だけでなく、投資対効果という視点が都民への説明責任上は必要。特に年間70億という膨大な運営費交付金に対して、必要性の納得を得られるように示さなければいけない。このためには、利用者の目的や支援の効果、認知後等を把握して事業運営に反映することが重要である。そこで、

産業技術研究センターでは、企業の利用目的、支援の効果、認知度を把握するためにどのような取組をしているのか伺う。

 産業技術研究センターでは、利用者のニーズや満足度などを把握するため、毎年度アンケート調査を実施。昨年度は約4,500名の利用者に調査を行い約2,200名からの回答をもとに、その結果を本年4月に取りまとめ。

この調査によると、同センターで利用件数の多い技術相談、依頼試験、機器利用のいずれの事業においても、開発した製品の性能の評価が利用目的として最も多く、その他に、製品のトラブルの原因の特定や技術の改良などのニーズも多い状況が明らか。

また、こうした利用者が同センターの利用によって得たメリットを金額に換算した値をもとに推計した経済効果は、年間で約382億円。

さらに、同センターが、都内の中小企業約1万社を対象として独自に行った調査によると、その認知度は、回答のあった約2千社のうち、製造業種では45パーセント、サービス業を含めた全体では36パーセント

私の意見

  • 産業技術研究センターの認知度がまだまだ低い点は改善のためのアクションを図られたい。
  • また、アンケートでの調査も有効だがそれ以前に、どのような企業が利用されているのか、改善点を見つけるためにも現状分析も定期的に行っていただきたい。
  • また、産業技術研究センターの利用による経済効果は推計で年間で約382億円とのこと。これを更に高めていき、都税収入に還元される仕組みにしなければならない。

 

年間70億を都は産業技術研究センターに投じている。投資対効果という視点でみれば、ここで開発された技術が製品に活かされ、その結果として世界市場でも通用する、すなわち中小企業の売上に大きく貢献することを目指すことが重要である。

市場からの評価には中小企業だからといってハンディはなく、技術の進歩は益々スピードを増し、企業のおかれた競争環境は厳しくなっている、中小企業の支援といえども、世界市場で通用するようなレベルで技術を研究することが求められる。そこで、

Q.世界の市場でも売れるような製品開発を行う企業を支援するために、産業技術研究センターの研究レベルを向上することが重要であるが、今年度を含めて最近の研究開発事業の取組状況について伺う。

産業技術研究センターでは、今後の成長が期待される「環境・エネルギー」等の4つの分野のほかに、東京のものづくりに不可欠な機械加工などの基盤技術を対象として、様々な研究を行っている。

平成29年度では、同センターの基盤となる研究を94テーマ、中小企業等との共同研究を46テーマ、国の科学技術研究費の利用や企業からの受託による外部資金を導入した研究を55テーマ実施。これにより、同センターでは研究員が業務全体の中で研究に活用している時間の割合は約32パーセント。30年度は10月末までに基盤研究を94テーマ、中小企業等との共同研究を69テーマ、外部資金を導入した研究を44テーマ実施。

また、同センターでは、30年度には、研究成果の発信とそのレベルを高めるため、10月末までに国内外で専門的な研究誌への論文発表を20件、学会等での発表を168件行うほか、炭素の薄い膜を金属表面に施して摩擦を大幅に引き下げる研究等8件が学会や業界団体等から表彰。

雇用就労対策について

ソーシャルファームなどの障がい者雇用施策、人生100歳時代のシニア就業も推進したいので、今回質問しました。長くなるので後日アップします。

残念ながら、質疑中の写真が撮影できませんでした。。。

正式な議事録は後日こちらに掲載予定です。(12月3日現在)

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