このページでは、都議会議員として、来期(2021年8月〜)取り組みたい政策について記載しています。一期目(2017年8月〜2021年7月)の実績はこちら

医療体制の改革(感染症に強い東京)

☆公衆衛生医療に関わる医療従事者の増強、保健所機能強化

Covid19により、東京都は大変な痛手を負いました。特に経済や精神に与える二時的な影響が今後も大きな影を落とすことになると思われます。今後も定期的に感染症は発生するため、災害の一つとして感染症に強い都市に生まれ変わる必要があります。

例えば、私が都議会において初めて提唱した都市型のオンライン診療ですが、今後の有事において非常に有効な社会インフラとなり得ます。

また、諸外国と比較しても日本の医療資源は全体で見れば質量ともに遜色がないむしろ恵まれているにもかかわらず、感染症医療に関わることができる医療スタッフ、病院が限定的であるため、海外に比べて早期に医療体制のキャパシティーを超えてしまう、ということが露呈しました。これは本質的には国政マターにな、公衆衛生医療、公的医療に対する資源配分が少ないことが課題です。医師、医療機関の8割は民間経営であるので、災害や感染症という有事の際には、全ての医療資源を総動員させることが難しい構造になっています。都政においては、公的病院は都立病院、公社病院で、すでに独立行政法人化が決定しています。これらの医療資源だけではとても支えられません。今回のCovid−19において多くの民間病院が公的医療を支えてくれました。そのような民間病院向けの財政支援制度を提案し令和2年度補正予算で可決し、多くの病院から喜びの声をいただいています。

杉並区には大学病院など高度な医療を提供できる病院がありません。災害や感染症に強い都市にするため、医療体制について二次医療圏ごとに根本的に立て直す必要があると考えています。大きなチャレンジでありますが、未来の東京にとって重要なテーマですので、医療関係者と協力して取り組みを進めてまいります。

☆行政と医療分野における著しいデジタル化の遅れに対応

クリニックに訪問して数時間待たされた経験は誰でもお持ちだと思います。最近は予約システムを導入したりと、QCD向上に向けて努力をしている医療機関も増えてきましたが、まだまだ紙のカルテでの管理、別のクリニックや病院にいくごとに過去の病歴や飲み薬など全て書き出さないとならない状態です。もちろんオンライン医療も普及していません。

行政の手続きも電子化を進めている最中ですが、民間企業と比べると、非常に歩みが遅いです。

このような電子化の遅れはコロナ禍によって浮き彫りになりましたし、改革を迫られております。ようやく重い腰を上げるチャンスでもあります。

陽性患者の発生届けを紙で記入し、医療機関から保健所にファックスする。ファックスを受け取りシステムに入力する。さらに、国へファックスする、というとてつもなく非効率な業務の方法をいまだにやっている世界です。

感染症や災害など、大量の処理件数が発生するような事態に対応できるはずがありません。コロナ禍の教訓として、デジタル化を急ピッチで推進してまいります。

東京の出生率向上と少子高齢社会への対応

☆社会全体で子育てを!家族支援の充実

少子化の問題は社会保障制度が存続できるかどうかの問題です。生産年齢の人口が少なく、納税者一人当たりで支える高齢者の人口のバランスが崩れているという問題であります。

その結果、現在40代の人が30年後に後期高齢者になる時には、今の年金制度、保険医療制度は同等に維持することができないと考えるのが自然です。

我が国は著しく少子高齢化が進行しています。人口構成については、最も予測がしやすい指標の一つです。つまり、現在のような社会保障の崩壊につながるような人口構成になることを、数十年前から予測できていたにもかかわらず、有効な手立てをしてこなかった政治の責任です。

一度低下した出生率を回復させた諸外国の施策を調査すると、GDPに対する家族支援の割合が高いことが分かります。

私は、都議会議員の一期目の実績として、この家族支援の充実につながる政策を知事へ直接提案、要望し、関係各局との交渉を経て、実現しました。都政史上で極めて異例の規模で、子育て世代の声に対して施策が実現した事例となりました。

・国に先駆けて不妊治療助成対象の拡大

・都独自の出産一時金(10万円相当)等の支給 など

引き続き、令和時代に相応しい家族支援の充実、また働く世代の経済力向上にむけて取り組んでまいります。

☆人生100年時代、尊厳のある生き方を支援

認知症などで施設に入所された方が、単に支援を受けるだけではなく、自分自身が施設内で他者の支援をしたり、何か自分が得意な役割を担って周囲に貢献することで、心身の症状が劇的に改善し、元気になっていく事例が報告されています。

長寿は大変素晴らしいことであり、世界に誇るべき我が国の特徴です。また、最期まで自分らしい生き方、尊厳のある生き方ができることは誰もが望むことではないでしょうか。

介護や医療のあり方も、従来までの常識に囚われることなく、最期まで社会の一員として、尊厳を持って生きていくことができるように、地域包括ケア、介護、地域医療、シニア就労、シニア大学、地域コミュニティー、のあり方をよりよく改善してまいります。

一期目では、ホワイトカラーのシニアに向けた就労支援、企業へのトライアル就労の仕組みづくりを推進しました。

また介護離職を減らす施策、仮に離職された場合も再就職できるような取り組みを進めてまいります。

東京の国際的地位の向上

☆都立公園改革の推進

都立公園は広大な敷地に自然の生態系が残る、都会のオアシスです。ニューヨークのセントラルパークなど、諸外国の好事例を参考にしながら、更なる利活用を杉並区民の意見や要望を伺いながら、進めてまいります。現在は杉並区内にある以下の都立公園に取り組んでいます。ぜひ、ご意見をお寄せください。

・高井戸公園(富士見ヶ丘)の施設充実(整備中)

スポーツ施設の充実や、ドッグランの要望を実現するための調査と行政への働きかけを行いました。結果、東京都と杉並区で協力して、公園整備を進めることとなりつつあります。

芝生を定期的にメンテナンスすること、夏場に備えて日陰を作ることなど、都民の方からご意見ご要望をいただきました。早速、公園課長に要望しておきました。

・善福寺川緑地公園の改善(進行中)

高齢者と若者がそれぞれ利用できるよう、施設の工夫をしていきます。

思い切りスポーツができる環境も整備を推進します。

より安全に過ごせるよう、歩道と自転車道を明確に分ける工夫も提案していきます。

引き続き、ご意見ご要望をお寄せください。

☆新産業を育成して経済の新陳代謝を

一期目の実績としては、若者、女性、シニアへの創業支援、工業用水道事業の廃止、第4次産業革命に寄与する技術をもつスタートアップ支援(産学官連携イノベーションエコシステムの推進)に取り組みました。次期も引き続き、今後の日本の基幹産業となるような分野での産業支援を推進していきます。

これは歴史的に業界団体や地元企業と、過度な依存関係(しがらみ)をつくりあげてしまっている歴史の古い既存政党では絶対にできないことです。誤解をしていただきたくないのは、決して業界団体や地元企業と行政の連携を否定するものではありません。むしろ民間との連携は行政改革の鍵になると考えています。しがらみの度合いが問題です。

行政の政策や予算が歪めるような構造は、本来あってはなりませんが、残念ながら国政をはじめ、そのような「癒着」と思われるような関係性は水面下で散見されます。例えば、前安倍首相のマスク事業、持続化給付金事業の電通のトンネル会社の存在などは記憶に新しいかと思います。

企業や業界の技術革新や生産性向上の努力を促すような施策ではなく、このような特定業界や企業と行政の癒着を起こすような税金の使い方をしていたのでは、日本の未来はありません。

都の事業についても選挙資金や政治家の口利きを実現するためのものが過去には多く存在しました。都民ファーストの会が第一会派となったことで、ほとんど一掃することができました。

しかし、5000を超える事業の中には、まだ隠れた同様の由来の事業が残っているようで明らかに条例違反やルール違反というものではないですが、税金の使い道として疑問視されるような投資効果の低い、斜陽産業を延命化するような事業はまだ残っています。

例えば、ICT技術を使えばもっと効率化できるはずの事業が長年温存されています。利権を受けている人もいるので、簡単にやめさせるということができません。

都民の皆様にも理解をしていただきながら、議員として粘り強く改革を訴える必要がありますので、ご理解の上、ご支援をいただきたいと思います。

☆時代に合わせた雇用のあり方にシフト

非正規雇用の処遇に問題があることは認識しています。この課題に対する解決策は「賃金水準を上げる」「終身雇用にする」など単純なことでは実現できません。

そもそも正規雇用でも終身雇用はなくなっています。今後はもっと加速するでしょう。企業が売上を伸ばすことなく、生産性を上げることなく賃金だけをアップすることなどできません。

企業は常に国際競争にさらされています。人件費を上げる、時給単価を上げるということは、世界的に人件費の水準が高い日本人の場合、売上や生産性が応じて上げられる構造にしていかなければ実現できません。私は雇用主に対して、単純に「労働者の時給を上げてくれ」と要望するのではなく、「どのように工夫をしていけば、処遇をよくできるのか」を労使双方の声を受け止め、互いに協力できる方法を提案しながら、推進していきます。

日本人は創業意欲のある人が世界に比べて圧倒的に少ないという調査結果が出ています。安定思考、チャレンジして失敗することを恐るタイプが多いとのことです。これについては、考え方を変えていくことが必要ではないでしょうか。人生100年時代に、生涯、一つの会社で安定して同じ仕事をし続ける。というモデルは崩壊しつつあります。変化の時代には、個人の力、生き抜く力をつけていくことが何より重要です。

そこで、私は多くの人が創業にチャレンジできる制度づくりに力を入れてきました。学生時代から起業家マインドを身につける教育も推進しています。

しかしコロナ禍で多くの事業主、そこに雇用されていた方が窮地に立たされています。緊急就労マッチングイベントとして、積極的に雇用をしている企業と求職者のマッチングを促しています。また、飲食店向けにデリバリーなど業態転換を支援する制度もつくりました。まだまだ支援が必要な段階ですので、ご意見伺いながら、対応してまいります。

誰でも活躍できる職場として、就労困難者を数多く雇用する社会的企業を生み出すための条例、認証制度づくりに貢献しました。このような社会的企業を50社以上に倍増させられるよう、二期目は取り組んでまいります。

テレワークは引き続き推進してまいります。都内の企業で7割以上を目指します。

☆循環型社会の構築に向け、再エネ&CO2排出ゼロを推進

SDGsの概念は、大人よりも、小中学生の方がよく理解しているようです。

それだけ、世界的に産業としても発展している分野であり、近年、間違いなく基幹産業の一つになります。しかし日本は乗り遅れていますので、東京は全力で追いついていく必要があります。

民間や学術分野との連携が必要不可欠です。

この分野で世界的なリーディング企業とのパイプを活かして、民間企業との共同研究、実証実験を進めてまいります。

☆利権を排し、本当に必要な道路や河川整備に注力

災害対策の名の下に多額の税金が公共事業に投入されています。確かに、投資効果が高い災害対策は実施すべきであるという立場です。

しかし、事業化の判断には明確な基準がなるわけではありません。1mの道路を整備するために1億円を投入する必要があるような道路は、本当にそれが必要か、住民は望んでいるのか、しっかりと検証する必要があると考えます。

なぜこんな問題提起をしているかというと、工事の対象地域となった住民は10年近くも平穏な生活を奪われ、場合によっては住環境が悪化することもあり、東京都で決定した工事の見直しを求める要望が毎年後を経ちません。

住民の声を広く反映できるような仕組み、第三者の専門機関で適正な工事内容について評価できる仕組みが必要だと考えます。

新しい時代の公共事業、社会インフラへの投資のあり方について皆様と議論を進めてまいります。

行財政改革

TOKYO予算見える化ボード

☆財政健全化(政策評価、事業評価)

東京都は地方自治体としては年間10兆円を超える、桁違いに大きな予算(スウェーデンの国家予算を超える規模)を動かす事業体であります。つまり巨大企業です。一方で、企業ではないので、潰れる心配はなく、経営努力や効率性を高めることに対する認識が民間企業と比べると甘いという点は否めません。

最高責任者である都知事は4年ごとに選挙で交代もありえます。一方で、実質的に行政を運営しているのは一生安泰の公務員です。こういった構造上、民間企業とは異なる経営管理(マネジメント)の機能が必要だと考えます。その一翼を担うべく議員が都民の代表として選ばれ、都政をチェックする役割なのだ、と私は考えています。

残念ながら、現在の都議会はそのような大局的な見地から都政をチェックできる議員はごく少数でしょう。外部の有識者の力を借りるしかありません。しかし、古い体質の議員がそのような優秀な外部ブレーンを追い出してしまうような事態も近年でも散見されました。

選挙で勝つことが目的化している都議会議員が大半であるうちは、都政のレベルアップは望めません。有権者が候補者の実態の良し悪しを見極めるのは容易ではないと思いますが、少なくともホームページなどをチェックしていただけばある程度見えてくるかと思います。

政治の質をあげるには有権者が目利きになる必要があります。

私は都議就任1年目の決算委員会の時から、政策評価、事業評価の一層の強化を訴えてきた。

https://a-kayo.com/gyouseihyouka_jigyouhyouka_hyoukashihyou

コロナ禍で財政需要が増える中、より一層メリハリの効いた事業運営が必要であります。

小池都知事の就任から、財政の見える化は劇的に進み、事業の公表件数は2.5倍となっていますし、見える化に熱心に取り組んでいただいている職員も増えました。非常に前進していると評価しています。

https://note.com/kouzoukaikaku/n/n1c8ed2a19f1a

一方で、5000以上ある全事業はのうち公表されているのはまだ3割以下なのです。残りの7割以上の事業についてはどんな内容で、いくらの予算がかけられているのか、都民から見えない状態であります。

また、東京都は全事業のPDCAサイクルを回すため適切な管理指標の設定が必要です。事業の費用や内容、進捗、成果といった情報を見えるよう工夫を図るべきですので、推進してまいります。

また、こうした業務を進めるには、従来のようなアナログの作業、人海戦術ではなく、業務改革DXを活用することで、膨大な情報を早く正確に集計分析することも、重要な視点であることはいうまでもありません。

都民の税金を無駄なく利用できる仕組みづくりを推進し、費用対効果を高めてまいります。

☆行政の体質改善と監理団体の改革

公務員批判がメディアでされることも多いですが、ほとんどの公務員・官僚は懸命に公のために尽力していただいています。ごく一部の人が問題を起こしているだけです。

一方で、行政に特有の文化・体質は改善した方が良いと感じています。

例えば、議会や委員会で都の局長(領域ごとの部門のトップ)の答弁を聞いていても、民間出身の人と、そうではない、長年行政の文化に染まっている人ではマインドがかなり違うのがわかります。

一言でいうと、「課題」ということに対して行政の体質は後ろ向きになりがちです。

「課題から目を背ける(隠す)、課題は指摘されたくない、課題があるからできない・・・」

という感じです。民間では全く逆の発想です。「課題」を見つけることこそが成長ですし、社員皆で見つけて解決する努力を繰り返すことが、非常に前向きなことですし評価される行動です。

厳しい公務員試験を突破した、優秀な職員の組織なのに、こういうマインドが非常にもったいないと思います。

不断の業務の改革をするというマインドがなくなってしまう公務員体質を打破するためには民間手法を行政にもっと取り入れることが必要不可欠と考えますので、推進してまいります。

監理団体のあり方も、天下りの温床にならないよう、目を光らせる必要があります。

水道事業の子会社での度重なる不祥事も大企業病ならぬ、公務員病ではないかと思います。都民からの負託に応えるという当然の使命感や適度な緊張感を欠いた企業体質が引き起こす事案が後を立ちません。外部人材を活用するなど、改革を進めている最中です。

水道事業はとても大事な公営事業です。公営だから安心だと盲目的にならずに、しっかりと監視をしていただくことが大事です。