令和4年11月10日(木)に行われました【東京都議会】経済・港湾委員会。
産業労働局事務事業について、あかねがくぼかよ子(都民ファーストの会)より行いました「東京都認証ソーシャルファーム」についての質疑内容を紹介いたします。
目次(クリックで各項目へジャンプします)
はじめにソーシャルファームについて
障がい者、ひとり親、引きこもりを経験された方などの就労に困難を抱える方々が、企業的な形態の中で必要なサポートを受けながら、無理なく働くことができる職場であるソーシャルファームは社会的に意義のある取組である。
都は、我が会派の提案により、ソーシャルファーム創設に関する条例を制定し、 令和2年度から、全国に先駆け認証制度を開始しており、就労に困難を抱える方の新たな活躍の場が着実に拡大されてきている。
Q1まず、東京都認証ソーシャルファームの現在の実施状況について伺う。
A1(雇用就業部長答弁)
- 東京都認証ソーシャルファームについては、10 月末時点で、令和2年度から 令和3年度に申請があった事業所のうち、認証事業所が27事業所、予備認証事業所が8事業所。
- 今年度は、令和2年度に認証した事業所には運営経費に対する助成を行 い、令和3年度に認証した事業所には事業所の立ち上げに必要な整備改修等の経費に対する助成を行っている。
- 認証事業所においては、10月末時点で就労に困難を抱える方136名の雇用が実現しており、社会の担い手として、その個性や能力を活かして活躍 。
A1について あかねがくぼコメント
予備認証を含めると、都内に35事業所がソーシャルファームとして誕生し、すで に136名の雇用が実現しているということで、誕生して2年間で着実に前進していることを評価。
一方で、都内で障がい者、ひとり親、引きこもりを経験された方などの就労に困難を抱える方々は相当数いる。10倍、100倍と事業規模を拡大していくことが望まれている。
ソーシャルファームは、従来の障がい者の就労を支援する福祉事業所とは思想が異なり、企業的な経営を目指し、いずれは独立採算で運営していくということが特徴。従来の福祉事業では予算の都合で規模を拡大し続けることは難しいが、ソーシャルファームの事業であれば、その制限は少ない。
一方で就労に困難を抱える方を多数雇用し、必要なサポートを行いながら、経営を軌道に乗せていくことは、事業者側にとっては容易なことではない。特に就労困難者の雇用に関しては、マッチングや定着に向けた支援が難しいとの声を聞いている。 社会的企業として名乗りをあげたソーシャルファームの経営者が事業を撤退せずに継続できるよう、経営面や雇用面でしっかり支援することが SDGs社会を実現するために極めて重要。
Q2東京都認証ソーシャルファームの一層の促進に向けて、今年度の都の取組について伺う。
A2(雇用就業部長答弁)
- 今年度は、就労に困難を抱える方の雇用と採用後の定着を支援するため、 都の関係機関をはじめ、国や民間の就労支援団体などの支援機関と、認証ソーシャルファームをマッチングさせるなど、連携を促進。
- また、ソーシャルファーム支援センターにおいて、事業者からの相談にきめ細かく対応するとともに、経営や雇用ノウハウ等に関するコンサルティングを延べ36回実施するなど、事業の検討段階から運営に至るまで、伴走的な支援を実施。
- 今月には、認証ソーシャルファームと就労困難者の面接会を新たに開催するとともに、認証ソーシャルファームの交流会を開催し、14の認証ソーシャルファ ームが参加して事業者間の連携強化や就労困難者の雇用に関する事例の情報 交換等を行うことで、ソーシャルファームの自律的経営に資する支援を行っていく。
- さらに、来月下旬に普及イベントを開催し、認証されたソーシャルファームの表彰を行うほか、取組事例を会場からオンライン等で効果的に発信することで、 その創設をより一層促進 。
A2について あかねがくぼコメント
ソーシャルファームの取組には多くの都民の方からの期待が寄せられておりま す。私も様々な機会を捉えて、経営者にソーシャルファームについてお伝えし、大変興味を持っていただいています。また、ひきこもり保護者団体の皆様の会合に参加した際に、社会参加を進めたくても、一般の就労にはとても長い道のりであるので、あきらめている、という声を受け、ソーシャルファームの存在を紹介しましたとこ ろ、大変希望を持てると喜んでいただきました。しかし、まだまだ、潜在的な就労希望者に対してソーシャルファームの絶対数が不足しています。
ソーシャルファーム創設を目指す事業者の裾野を広げると同時に、就労に困難を 抱える方には最新情報をプッシュ型で発信するなどの取組を着実に進め、ソーシャ ルファームを社会に根付かせていただくことを要望する。