令和4年11月10日(木)に行われました【東京都議会】経済・港湾委員会。

産業労働局事務事業について、あかねがくぼかよ子(都民ファーストの会)より行いました「女性の再就職支援」「中小企業における女性活躍推進」「ハラスメント防止対策」についての質疑内容を紹介いたします。

女性の再就職支援について

この間のコロナ禍は「女性不況」とも呼ばれており、女性の就業が多いサービス業等が大きな影響を受け、雇止め等により非正規労働者が減少するなど、女性の就労に深刻な影響を及ぼした。 

昨今、感染者数の減少局面では、就業状況の持ち直しや人手不足の課題がクローズアップされることも多いが、こうした状況でも、妊娠・出産による退職からのブランクが長かったり、子どもがいるなどの理由から、再就職に二の足を踏んでしまう女性も多数いる。 

こうした女性の中には、求職活動に十分な時間をかけられない状況にある人も多く、特にひとり親にとっては、子育てをしながらの就職活動や学び直しには大きな ハードルがあり、行政の支援が欠かせない。 

Q3 都は、女性が抱える状況に寄り添い、再就職を目指す女性が希望の仕事に就けるよう支援すべきだが、現在の取組状況について実績を含めて伺う。 

A3(事業推進担当部長答弁) 

  • 都は今年度、コロナ禍などで離職した女性が早期に再就職できるよう、アウトリーチ型の支援として、都内各地に出向きセミナーと就職相談を行う「女性応援 キャラバン」を新たに開始。 
  • 具体的には、就職活動を成功させるために必要な市場理解やノウハウ習得 などを内容とするセミナーと個別相談会を年間50回開催することとしており、10月末までに27回実施し、733人が参加。 
  • ひとり親などきめ細やかな支援が必要な女性に向けては、しごとセンターに専門のカウンセリング窓口を設置するとともに求人開拓の体制も強化し、10月末までに、173人にカウンセリングを実施。 
  • また、パソコンやWi-Fi をひとり親の方に無償で貸与し、eラーニングによる 職業訓練を就職支援と一体的に実施しており、10月末までに304人が受講
  • 事業に参加した方からは、育児で自分と向き合う余裕がなかったが、少し気が楽になった、一人で抱え込んでいたので相談できてよかった、などの評価を得ている 

A3について あかねがくぼコメント

子育て中で時間がない女性にとって、身近な地域で出前講座や出張相談が受けられられることは意義深い。ひとり親に理解がある求人を積極的に開拓し、一人でも多くの女性の再就職が叶うよう、丁寧な支援に取り組んでもらいたい。 

中小企業における女性活躍推進について

優秀な女性が地元企業に再就職するためには、柔軟な勤務時間に対応できる か、前職でのスキルや経験を活かせるか、という点が就労する上でポイントになる。 

また、近年は出産育児などで一時離職する女性は減ってきており、今まさに子育て奮闘中の世代は共働きが主流である。10年前は離職する女性が多かったが、 今は離職したくても、家計を支えるために仕事を続けなければならない、という止む を得ない事情もよく伺うところ。 

育児と就労の両立は、従来から女性の負担が過剰になっているというのが実態である。男性育休の普及など、格段に両立しやすい環境整備は進んでいるところ だが、大企業に比べて中小企業では女性の働きやすさはまだ道半ばである。 

都は、中小企業に勤める女性社員や子育て世代が仕事とプライベートの両立をしやすい環境づくりやテレワークの推進に取り組んでいると認識しているが、好事例を求職者にも広く発信し、人材確保戦略として浸透させていくことも重要である。 

Q4そこで、中小企業における女性が働きやすい職場環境づくりを促進するとともに、優れた取組を求職者を含め情報発信していくべきだが、都の取組の現状を伺う。 

A4(事業推進担当部長答弁) 

  • 都は、女性が働きやすい職場環境づくりを促すため、テレワークを導入したうえで、育児と仕事の両立支援制度を整備した企業に奨励金を支給するほか、社内のライフ・ワーク・バランスを推進し効果をあげた中小企業を募り、優れた企業を認定して広く公表するなどの取組を行っている 。
  • また、在宅勤務やテレワークを新たに取り入れたい、男性社員が育児休業を取りやすくしたいなどの課題を抱える企業に専門家が赴き、人事制度や賃金制度など状況に応じた助言を行っており、10月末までに49社へ117回派遣
  • 求職者への情報発信については、中小企業の魅力を就活生等に発信する プロジェクトを展開しており、その一環として、女性の活躍に積極的に取り組む企業と子育てや介護等で離職し再就職を目指す女性との交流会を開催。
  • 参加者からは、「社会の意識が変わってきていることがわかった」、「女性の働き方について、柔軟に対応しようとしている中小企業が多く驚いた」などの声をいただいている。 

A4について あかねがくぼコメント

働き方を変え女性を採用したい、と努力している中小企業も多い。好事例が多くの中小に波及し、女性の選択肢が広がるよう、引き続き取り組んでもらいたい。 

ハラスメント防止対策について

今年4月から、改正労働施策総合推進法、いわゆる「パワハラ防止法」が中小企業にも適用され、すべての事業主に対して、パワーハラスメントをはじめとするハ ラスメントの防止措置を講じることが義務付けられました。 

言うまでもなく、職場のパワハラやセクハラ等の様々なハラスメントは、個人としての尊厳や人格を不当に傷つける社会的に許されない行為であるとともに、働く人が能力を十分に発揮することの妨げにもなります。 

それはまた、企業にとっても、業務への支障につながり、社会的評価に悪影響を与えかねない問題です。 

Q5都では、職場でのハラスメントについて事業者や従業員の方々からどのような相談を受け、どのように対応してきているのか伺う。

A5(雇用就業部長答弁) 

  • 労働相談情報センターにおけるハラスメントに関する労働相談件数は、令和2年度は9,571 件、令和3年度は9,918件、令和4年度は9月末時点で5,099件
  • 直近3か年ともパワーハラスメントの相談件数が最も多く、主な内容は、上 司のパワハラ的言動により体調不良や休職になったケースなど。
  • 同センターでは、ハラスメントに関する労働相談を受け付け、紛争解決に向けたアドバイスを行うとともに、労使いずれかから要請があった場合にあっせんを行っており、ハラスメントに関するあっせんの件数は9月末時点で47件
  • また、法律に基づく助言・指導等が必要な事案については、国の総合労働相談コーナー等に繋いでおり、国においては紛争調整委員会によるあっせんも実施。
  • なお、ハラスメントに関する相談は、心身の不調などにつながる内容が多いため、労働相談情報センターの各事務所に専門相談員を配置し、必要に応じ「心の健康相談」を実施。

A5について あかねがくぼコメント

都において年間 1 万件ほどあるハラスメントに関する相談に対して、しっかりとした体制で問題解決の支援をしているのが分かり安心しました。 

引き続き、許されない行為であるハラスメント防止に努力して頂きたいと思います。