目次(クリックで各項目へジャンプします)
デルタ株急増で急速な感染拡大が懸念
東京都の新規感染者は前週比124%と急拡大しています。
従来のアルファ株より感染力が強いと言われるデルタ株比率は15%に近づいていますので、オリパラ開催時には1500人/日を超えると予測されています。
医療資源は有限であることを考えると、無観客はやむを得ないと考えます。(都医師会長は「開催するとしても最低でも無観客、水際やバブルの徹底に人材を当てるべき」と訴えられています)
もっと早く、無観客開催の判断はできなかったものか、反省を求めたいところです。私たち都民ファーストの会は、6月下旬の時点で無観客を求めていました。
64歳以下へのワクチン接種が滞る
さて、経済との両立を図る上で、医療崩壊を起こさないことが前提条件になってきます。
今時点では64歳以下へのワクチンの普及がその鍵を握っているはずですが、一体なぜワクチンは供給されなくなってしまったのでしょうか。
菅総理によると在庫は十分に確保しているとのことです。
在庫があるのに、現場には供給されない。「一体どうなってるの?」と不可解ですよね。
その主な理由が、医療現場の日々の運用を伺って、判明しました。
都医師会 の尾崎会長をお招きして、コロナ対策の勉強会を実施しました。
ワクチンを打ったら、医療機関は政府指定のVRSシステムにデータを入力(写真で読み取る)することになっているそうです。
その読み取り機器が、かなりいまいちなんだそうです。
医療機関がその日にワクチンを打った情報をシステムに読み込ませるのに膨大な労力がかかり、医療現場ではとても対応できないそうです。
そこで、自治体や行政がそのデータ入力を代行することになったそうなのですが、そのタイムラグは1月もかかったりしており、
厚労省へ情報が伝わるのは1ヶ月後?というありえない事態が発生しているようでした。
つまり、厚労省としては在庫は確保しているが、現場にワクチンを出しても使っていない(本当は使っているにもかかわらず)
「現場にはワクチンが使われずに余っている」と事実とは異なる情報で認識してしまい、新たなワクチン供給を止めてしまっている、という事態なのではと推測されます。
ひとことで言えば、情報連携の不備。
現場でのワクチン接種状況が、正確に政府(厚労省)側へ伝わらないことで、需給調整の判断ミスが発生し、現場へ必要なワクチン供給ができなくなったという見立てでした。
これは私も検証したわけではないので断言はできませんが、本当にそうだとしたら、なんてIT後進国なんだ!と呆れますね。
ワクチンをめぐり国と自治体で齟齬が発生
国は在庫がある(はず)vs自治体は在庫がないという齟齬が発生している問題について
VRSシステムのタイムラグの問題以外にも、国は65歳以上の方が2回目接種用に確保している数を差し引いていないのでは?と疑念が出ています。
東京都によるとワクチンは国から自治体へ供給されるが、希望する数量の4割程度になっているようです。また、都が自治体に追加供給できるワクチンがありますが、その量は非常に少ないので、実質、国から自治体に供給される分量以上は期待できません。
どの自治体がどの程度、ワクチン接種が進んでいるのか、進捗状況は、国と自治体が把握しているが、東京都としてはデータが閲覧でいないシステムとのこと。
輸入に頼っている以上、9月以降どのようなスケジュールでどの程度のワクチンが供給されてくるのか、都も区市町村も情報提供されておらず、準備できずに困っている状態のようです。
このような課題を解決するのは容易ではないでしょう。現在の官僚組織や政治家だけに任せていたら決して解決しません。全国の頭脳を結集して、行政と医療のまともなシステム構築を行うべきですが、政権交代などの大手術(交代できる政党を育てるとことから)が必要なのではと思います。
私も都議として全力で行政の電子化のレベルアップをはかりますが、相当根深い問題です。皆様のご理解とご協力が必要です。引き続きよろしくお願い申し上げます。