選挙管理委員会での質疑

2022年3月14日

公職選挙法の「当選人が決定した場合は、当選人の住所及び氏名を告示する」というものがあります。こちらについて質問します。

都は昨年、我が会派の指摘をうけ、情報公開と個人情報保護のバランスを図るため、住所を含む告示事項の告示方法の見直しを図ってきた。

Qまずどのように変更されたのか伺う。

 

A・   公職選挙法により、当選人が決定した場合は、当選人の住所及び氏名を告示。これまで都選管では、この告示を東京都公報に登載することで実施。東京都公報は5年間、都のホームページで公開することとなっており、当選人の住所及び氏名については、5年間ホームページで公開。   今年度執行した都議選以降、告示方法を変更し、掲示場に30日間掲示。  また、情報公開の観点から、都選管のHPにおいて、30日間、住所及び氏名を掲載し、30日間を超えた日以降は住所を町字までの住所とした上で掲載。

従来までは氏名と住所が特定できる情報が5年間公開されていたところ、30日以降は住所を町名までの記載にすることで、個人情報が特定されないように変更した点は評価。

当選告示後14日間は有権者からの当選の効力に関する異議の申出が可能な期間とされている。例えば、公開された住所に居住実態がなく、被選挙権がないとして当選無効となった事例もある。

Q公開期間を申出期間よりも長い、30日間とした根拠について伺う。

近年のSNS等の発達により、個人情報の扱いはこれまで以上に慎重さが求められていることを踏まえ、公開期間や公開内容を検討。  国は衆議院及び参議院の比例代表選出議員選挙において、官報に登載することで告示を行っているが、その情報は官報情報検索サービスにより公開。これは、30日間無料で公開されており、その後は有料での閲覧。都選管では、衆議院小選挙区選出議員選挙及び参議院東京都選出議員選挙を執行しているが、これらとの均衡を図る必要。 こうした点も踏まえ、当選人の住所全てを5年間公開していたものを30日間にしたもの

個人情報の扱いを慎重にということで、当選人の住所全てを5年間公開していたものを30日間にしたという点はまず評価するところだが、そもそも5年間もずっと公開されていたことが非常に恐ろしい状態ではないかと考える。

選挙で選ばれた公人なので、常に住んでいる場所を公開すべきという考え方は、個人情報を尊重することが浸透している時代において、あまりにも乱暴です。

近年地方議員では女性の議員が増えてまいりました。これはダイバーシティー、女性活躍の観点で喜ばしいと思います。

しかし、若手女性議員ネットワーク「ウーマンシフト」によると、このように住所をインターネットのような誰でも閲覧できる場所に公開され続けることに対して、議員になることを諦める、という候補者も少なからずいると聞いています。

家族の安全を守るために高額なセキュリティーシステムを自宅に設置することで、何とかその壁を乗り越えたというお話もあります。若い独身女性であれば、ストーカーの標的にされるリスクが非常に高まるでしょう。

ひとり親の家庭であれば、本人不在の時に子供一人で家にいる時、見知らぬ他人が訪れたり、嫌がらせ行為を受ける可能性も考えて活動をしなければいけません。本人のみならず、家族、特に子供までが非常に危険にさらされる状態を容認していることになります。

実際、現職の都議からは、当選後の告示で自宅住所を調べられてしまい、自宅に頻繁に郵送物や荷物などが届くようになるので、非常に恐怖を感じて選挙の度に引越しを考えるという声や、政策的に対立する立場の団体などからの嫌がらせ行為をされる危険を考えると、議員として議会や委員会で質問を行うことを躊躇してしまうという声もあがっています。

このように議員として職責を果たす上でも大きな障害にもなっていることが実態です。

ここでポイントは「告示」の具体的な方法についてです。

都内の自治体における選挙人の「告示」の方法は、庁舎前の掲示板に当選人の住所及び氏名を掲示するという方法がとられるようです。必ずしもインターネットで全世界に発信するべきものではないということです。インターネットで住所を開示する場合は、自宅の町名までとする、事務所や会派控え室でも可能とするなど、取り組みが進んでいます。

また告示の期間についてですが、特に法令の定めはありませんので、公人といえども個人が危険にさらされるリスクのある情報の公開については、有権者からの当選の効力に関する異議の申出が可能な14日間に限定することが合理的であると考えます。

都によると30日間の根拠は、国が官報により30日間無料公開している、衆議院小選挙区、参議院東京都選挙区との均衡を図る必要があるため、とのことだが、国会議員と地方議員では身分や処遇も全く異なるものですし、必ずしも統一すべきものかというと疑問が残ります。地方議員という区分では、都内の自治体との連携を図るという視点も重視すべきではないでしょうか。

繰り返しになりますが、都内の地方議員における女性比率は近年著しく上昇してきました。一方で、国会議員では女性の比率は非常に低いです。

政治分野のジェンダーギャップが最低水準の我が国において、せっかく都内では女性の地方議員が増えてきたところです。

その流れで、住所公開など、必要以上にプライバシーや個人情報の公開が求められることへ異論が出始めており、都内自治体では告示に対して柔軟な対応をすすめています。

昔のように訪問と電話でしか面会や連絡手段の無かった時代ではありません。

都においても、住所を完全に公開することの意味合いや、セキュリティーやストーカー嫌がらせ行為との兼ね合いについても一層、考慮すべきと考えますので、更なる情報公開の適正化にむけて検討と工夫をしていただくよう要望。