行政評価、事業評価、評価指標について(決算特別委員会)

行政評価、事業評価、評価指標について

平成28年度各会計決算特別委員会(第3号) 本文 2017-11-13

◆国や自治体の進める政策、施策、事務事業が効率的に実施されているのか、一定の基準や指標をもって、妥当性や達成度、成果を判定する「行政評価」と「事業評価」について、平成29年12月の第4回定例会にて、質問および意見を述べました。

  • 都では平成十五年度以降は、政策、施策レベルでの評価を行っていなかったが、今後は事業評価に加えて、政策、施策レベルでの行政評価を取り入れるよう要望。
  • 行政評価については、独立性を担保できる体制での外部評価の実施を強く要望。
  • オリ・パラ準備費から支出されている項目のうち、開催都市PR、大会開催に向けた普及啓発の機運醸成事業、合計約四十三億円の支出額に対する効果検証はどのように行っているのかを質問。
  • 適した指標の設定とその効果測定、そして徹底した情報公開、見える化を要望。

以下、答弁からの抜粋です。

◯あかねがくぼ委員 あかねがくぼかよ子でございます。本日、私の方からは通告のとおり、行政評価、事業評価について、二点目は評価指標について、主にこの二点について質問させていただきたいと思います。
まず最初に、行政評価、事業評価についてお伺いをしたいと思います。
そもそも行政評価とはというところでございますが、国や自治体の進める政策、施策、事務事業が効率的に実施されているのか、一定の基準や指標をもって、妥当性や達成度、成果を判定するものでございます。また、次の予算づくりに生かす作業でもございます。
総務省による平成二十八年十月、地方公共団体における行政評価の取組状況等に関する調査によりますと、四十七の全都道府県が行政評価を実施しておるということでございます。
お手元に配布をいたしました一枚の一番上に手書きで、地方公共団体における行政評価の取組状況等に関する調査という参考資料をごらんください。
行政評価の対象としましては、一般に政策、施策、事務事業、この三層の構造の政策体系で捉えられております。同調査結果によりますと、事務事業についての評価は、ほとんどの地方公共団体で行われております。
一方で、政策についての評価まで実施をしている団体は三割以下にとどまっており、規模の大きい団体が政策評価まで行っているという傾向にございます。
東京都では、平成十三年度から政策の評価と事業評価を本格的に実施しておりましたが、政策評価については、平成十五年度以降は実施されてございません。
平成十八年度に予算の連動性を図る観点から、事業評価を財務局に移管をし、現在に至ります。平成十九年から始まった財務局による事業評価は、限られた財源の中で都政の諸課題に的確に対応していくことを目的としております。
平成二十九年度予算編成では、都の実施する約四千八百の全ての事業について終期を設定して、評価時期をルール化するとともに、八百九十の事業については評価結果を公表しております。
そこで、財務局にお尋ねいたします。東京都が行っている事業評価につきまして、これまでの取り組み内容とその成果をお伺いしたいと思います。

◯武市財務局長 東京都におけます事業評価は、かつて財政危機の時代に実施いたしました二度にわたる財政再建推進プランに基づき集中的に実施いたしました事業の見直し努力、これを財政再建後も継続するために再構築をしたものでございまして、予算編成の一環として実施していることに大きな特徴があるのかなと、このように考えております。
具体的には、各局と財務局が連携し、専門的視点からのチェックや新たな公会計手法の活用を通じまして、一つ一つの事業の成果や決算状況を分析するなど、多面的に検証いたしまして、その結果を翌年度の予算に反映をさせております。
毎年度、評価手法を充実いたしまして、着実に実績を積み重ね、過去十一年間で四千三十八件の評価結果を公表するとともに、累計で約六千九百億円の財源確保へとつなげたところでございます。
このようにして生み出された財源は、新規事業や重点的に実施する事業などの財源としているほか、都債の償還、基金の積み立てなど、将来の備えにも活用しておりまして、施策の不断の見直しが強固な財政基盤の構築につながってきたものと考えております。

◯あかねがくぼ委員 ありがとうございます。財務局として、予算編成の一環として事業評価を実施してきたということで、過去十一年間の中で不断の努力を積み重ねた、その結果として、六千九百億円もの財源確保につなげ、それが新規事業や重点事業の財源となってきたということで、都政運営のかなめとなる強固な財政基盤の構築に大きく貢献してきた点は高く評価させていただきたいと思います。引き続き継続的な改善努力を重ねていただくように要望したいと思います。
一方で、行政評価そもそもの目的に戻りますと、政策、施策、事務事業が効果的に実施されているのか、一定の基準や指標をもって妥当性や達成度、成果を判定するものでありました。
行政活動の成果向上、PDCAサイクルの確立、行政運営の効率化、アカウンタビリティー、住民サービスの向上など、これらは都が注力をしている都民ファースト、情報公開、賢い支出を推進する上でも大変有意義な制度であることは疑いの余地はございません。
本年度からは、内部統制強化の目的で、各局の主要事業につきまして経営的観点から分析、評価をする見える化改革が実施され、その結果を踏まえて、政策、施策レベルでの行政評価について、総務局にて検討されていると聞いております。
先ほど申し上げましたとおり、都では平成十五年度以降は、政策、施策レベルでの評価を行っておりませんでしたが、ぜひ今後は事業評価に加えまして、政策、施策レベルでの行政評価を取り入れていただくように強く要望したいと思います。
先ほどご紹介いたしました総務省による調査では、二十六の都道府県においては、既に外部評価を実施しているということでございます。外部評価とは、外部有識者による、その専門性を十分に生かして、より効果の高い政策等の改善をすることを目的として評価を行うことでございます。客観性や正当性を十分に確保するためには、内部評価に加えまして、外部評価が実施されているということであります。
外部評価の体制が確立していると思われる地方公共団体としては、大阪府、神奈川県、新潟県が挙げられます。このうち大阪府と神奈川県については、内部評価と外部評価の両方を実施しているということであります。
現在、東京都では、今後の行政評価のあり方について、政策、施策レベルでの評価の必要性、また第三者による評価、すなわち外部評価のあり方について検討中であると伺っております。
全四十七都道府県のうち、既に二十六が外部評価を実施していることを考慮し、東京都の扱う事業の規模、また課題の複雑さに鑑みるに、どの自治体よりも先進的で客観性の高い外部評価の体制を率先して構築していただく責任があろうかと思います。
行政評価について、政策、施策のレベルでも実施していただきたいという要望は先ほど申し上げたとおりでございますが、外部評価についてもしっかりと独立性を担保できる体制にて実施をしていただくように強く要望いたしまして、次の項目に移りたいと思います。

続きまして、評価指標についてお伺いをいたします。
平成二十八年度は、二〇二〇東京大会に向けた機運醸成の取り組みを本格的にスタートした年でございますが、開催まで約千日となった今、各施策を大会の成功につなげるためには、不断の改善努力を続けていくことが必要不可欠でございます。
大会施設などのハード面の整備のみならず、パラリンピックの認知度向上、大会に向けた機運醸成といったソフト面での取り組みについても非常に重要でございます。
平成二十八年度は、オリンピック・パラリンピック普及啓発事業といたしまして、さまざまな取り組みを実施してきましたが、そのうちの四つの取り組みについて、特徴を簡単にご紹介いたします。
まず、一点目、ライブサイト、これはパブリックビューイングを通して、オリンピック・パラリンピック競技を臨場感のある生中継で観戦していただく、そんな機会を提供するものでございました。平成二十八年度は、リオ大会の開催中に東京及び東日本大震災の被災三県にて実施されました。
二点目は、四年前のカウントダウンイベントでございます。これは都内三カ所で実施されたということであります。
三つ目は、リオ大会における開催都市PR、これはリオ大会閉会式において、旗を引き継ぐハンドオーバーセレモニーの中で、二〇二〇年の開催都市としての東京を印象づけたイベントであります。また、大会のビジョンを世界へ伝えるとともに、東京の都市としての魅力を演出するPRを実施したということであります。
四つ目のフラッグツアー、これはオリンピック旗、パラリンピック旗が都内及び被災地を巡回し機運醸成を図る、そういった企画でございました。
以上のような重立ったイベントを合わせました平成二十八年度の予算、決算額といたしましては、開催都市PR事業として、予算現額約三十九億八千万円に対しまして三十四億円を支出し、大会開催に向けた普及啓発事業としては、予算現額約三億八千万円に対しまして約一億八千万円を支出してございます。
そこで、オリ・パラ準備局にお伺いいたします。オリ・パラ準備費から支出されている項目のうち、開催都市PR、大会開催に向けた普及啓発の機運醸成事業、合計約四十三億円の支出額に対する効果検証はどのように行っているのかお聞かせください。

◯潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 今お話がございましたライブサイトやカウントダウンなどの機運醸成イベントは、都民、国民の二〇二〇年大会への関心と参加を高める目的で実施をしておりまして、魅力あるコンテンツを企画検討し、広報PRの工夫も行いながら実施しております。
効果検証につきましては、来場者数の見込みを設定し、達成状況を検証するとともに、報道件数等でも事業効果を把握しているほか、アンケートも実施しております。そのアンケートでは、当該実施内容への評価だけではなく、どのような実施コンテンツに、より魅力を感じるかなど具体的な提案、要望等もいただいているところであります。
当局としましては、こうした声をしっかりと分析するとともに、実施結果を検証しまして、次回開催がよりよいものとなるよう具体的な企画立案に生かしております。
大会開催まで三年を切っております。そうした中、今後ともさらに多くの方々に大会への期待感を高めていただけるよう、機運醸成の取り組みを推進してまいります。

◯あかねがくぼ委員 ありがとうございます。民間企業では、計画段階で設定する目標数値のことをKPI、キー・パフォーマンス・インジケーターと呼んでおります。日本語では重要業績評価指標、または重要目標評価指標と訳すものでございます。
このKPIというのは、どんな指標を目標として設定するのか、それが最も重要なことであり、見るべき指標の選択を誤った場合には、仮に設定した目標が達成できたとしても、本来の目的達成につながらない、そんな危険性もございます。
KPIを用いた経営手法は、企業のマーケティング活動を初め、営業成績や売上高、顧客満足度の向上など、あらゆるビジネスシーンにおいて利用されているものでありますが、こういった商業的な目的に限らず、今回のような認知度の向上、普及啓発の取り組み、この妥当性や達成度を判断するにも大変有効な考え方であると思います。
計画段階で効果測定が可能な適切なKPIを設定し、取り組みの実施後に検証していく。そして改善策を講じて、よりよい次のアクションにつなげる、いわゆるPDCAサイクルを回していくということは求められていることでございます。
二〇二〇年大会に向けて、認知度向上や普及啓発の取り組みの妥当性や達成度を判断するために適した指標についてどのようなものなのか、計画の段階で熟慮の上で設定していただき、適宜進捗を確認し、設定した指標にコミットして、日々業務を行っていただくことが肝要でございます。
また、これら一連のPDCAサイクルは、徹底して都民に対して情報を公開し、見える化していただくことが、説明責任を果たすことだと考えます。
さて、オリンピック・パラリンピックの機運醸成の効果検証につきましては、来場者数、報道数などで把握をし、アンケートの結果から改善点を抽出し、次の取り組みにつなげているとお伺いしました。
例えば、先ほど紹介をいたしました四つの取り組みのうち、三つのイベントの効果測定につきましては、ライブサイトで約三十五万人、四年前のカウントダウンイベント、これが五千人以上、フラッグツアーでは三万四千人とそれぞれ動員されており、目標としていた動員数を上回る結果が達成できたということでございます。
一方で、本来の目的から考えますと、機運醸成事業の達成度や妥当性を検証する上では、イベントの動員数やメディアで報道された数だけでなく、国民全体の世論がどのように変化しているのかを、適した指標を設定して計測、そして検証していただくことが必要であろうと考えます。
オリンピック・パラリンピックは、オールジャパンの大会でございます。平成二十八年度には四つの機運醸成イベントが実施されましたが、そのイベントの会場には行かずに、報道で知ったという人、またはイベントが開催されたことすら知らない、そういう人の方が国民全体で見れば圧倒的に多いと想像されます。
機運醸成の取り組みに対して客観的な効果を検証するためには、個別イベントの評価だけでなく、国民全体を対象に機運が醸成されているということを確認する、例えば簡易的な世論調査なども有効な手段であると考えます。
オリンピック・パラリンピック大会は、今後三年間で東京都の経営支援を相当につぎ込む事業であり、メディアや都民から注目される事業であることは間違いがございません。しかし、その支出の額ばかりが注目されてしまい、本来の目的や価値の部分が都民や国民に伝わらなくなってしまうのは大変残念なことでございます。
そういった意味でも個々の取り組みだけでなく、オリンピック・パラリンピックの機運醸成という大きな視点での、どのような効果を狙っているのか、またその効果の検証も積極的に公表していく、そういった取り組みが都民からの理解を得る上で大変重要であると考えます。
繰り返しになりますが、ぜひ適した指標の設定とその効果測定、そして徹底した情報公開、見える化をしていただくことを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
二〇二〇年の大会に向けて、施設や交通の整備は当然ながら滞りなく進めていただく必要がございます。しかし、ハード面の整備だけでなく、国内及び海外での機運醸成は、大会の成功を左右する要素であるといっても過言ではございません。
特にパラリンピックは世界で二度目の開催となり、東京がハンディキャップを持つ人でも暮らしやすい成熟した都市国家であるかどうか問われている、世界から大変注目される重要なイベントでございます。
成熟した都市国家にふさわしいバリアフリー、ユニバーサルデザインといったハード面での整備を進めていただくとともに、ハンディキャップを持つ人など、さまざまな立場の方が社会全体で受容される、いわゆる心のバリアフリー化に向けた普及啓発の取り組みも積極的に進めていただきたいと思います。
そして、社会全体で障害者スポーツを応援する機運を醸成することが、障害者差別を撲滅することにもつながると考えます。このようなダイバーシティーの実現、共生社会の実現こそが、大会後のレガシーとして非常に価値の高いものであると考えます。
そこで、二度目のパラリンピックを開催する都市として、昨年度、都はどのような考え方で機運醸成に取り組んでこられたのかお伺いをいたします。

◯潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 都としては、パラリンピックの成功なくして二〇二〇年大会の成功はないと考えておりまして、競技や選手への関心を高め、より多くの都民に会場で応援していただくことが重要であるというふうに認識をしております。
しかしながら、一般的にパラリンピック競技はまだまだ認知度が低く、より一層競技の魅力や迫力に触れる取り組みが必要であります。そのため、例えば区市町村等が実施しております広く都民が集まるイベントで、パラリンピック競技の体験会等を行いますNO LIMITS CHALLENGEを実施しており、二十八年度は前年度より区市町村数、競技数ともふやしたところでございます。
パラリンピック競技や選手のファンになって応援することは、障害者をより深く理解することにもつながり、ダイバーシティーの実現に向けた大きな力になるというふうに考えております。
引き続きパラリンピックの成功に向け、さまざまな機運醸成の取り組みを推進してまいります。

◯あかねがくぼ委員 ありがとうございます。日本でのパラリンピックの競技や選手に対する認知は、オリンピックに比べれば、まだまだ低くございます。二〇二〇年の大会に向けた機運醸成の事業として、ぜひ注力して、普及活動を行っていただきたいと思います。
パラリンピック競技を実際に体験していただく、よく知っていただくためのプログラムであるNO LIMITS CHALLENGEのような取り組みは大変有意義であろうと思います。これはハンディキャップを持つ方の立場になってスポーツをやってみるという体験であり、ダイバーシティーや共生社会の実現に向けての普及啓発につながるものと高く評価をしております。
パラリンピック機運醸成の対象者は、ハンディキャップを持つ方やその家族、支援者だけではございません。むしろ今まではハンディキャップを持つ方との接点がなかったような健常者の方やパラリンピックスポーツを全く知らなかった人たちだと思います。
さらに、国民全体だけではなく、世界に向けたパラリンピック開催都市として、東京の魅力を発信していく必要性がございます。
このように多様な対象に対して行う機運醸成の取り組みには、マーケティングの考え方が有効であろうと考えます。多様な対象、すなわちターゲット層に対して、それぞれの思考や行動パターンを分析し、適したアプローチで施策を展開していくという方法でございます。
価値観やライフスタイルがこれほど多様化している現代において、全ての国民を巻き込み、パラリンピックを盛り上げていくためには、総花的なアプローチでは限界がございます。若者や独身者、ファミリー層、高齢者、ハンディキャップを持つ方など、それぞれの対象は、思考や行動パターンが異なりますため、それぞれに適した形で、よりきめ細かなアプローチを展開していただきたいと思います。
日本が経済大国となる契機になり、物質的な豊かさをもたらした前回の東京オリンピックと比較しまして、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会では、物質的な豊かさに加えて、成熟した国際都市として、精神的な豊かさをレガシーとして残せるような大会にしていただくことを心から願いまして、私の質問を終了したいと思います。

答弁の詳細はこちらから。

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