例年3月は予算審議がされます。今年度は任期の最後の年ですが、予算委員会のメンバーとして質疑を担当しました。コロナ禍に対応するための医療、雇用対策や、家庭内での課題である虐待防止対策など、最後に財政出動が続く中、一層の健全経営を行うための提案を致しました。
動画でもご覧いただけます。
3月12日総括質疑 「20あかねがくぼかよ子」 4:57:54 〜 5:38:46 ご覧下さい。
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/live/reg2021-1.html
(質疑の骨子は、以下に記載しております)
目次(クリックで各項目へジャンプします)
経済雇用対策
コロナ禍は経済・雇用環境に大きな爪痕を残している。
東京で2万人を超える解雇・雇い止めが発生する見込み。
外食産業や観光業では倒産や閉店が相次いでいる。
アパレル、美容関係、タクシー運転手の方などからは収入が激減しいつまで持ち堪えられるかわからないなど、大変切実な声をいただいている。
一方で、介護やIT、運輸などすぐにでも人材を必要としている業界もある。
このような産業構造の変化をとらえ、都は離職をされた方に対する緊急の就労支援として、1日で職探しから面接まで完了できるイベント『1Dayトライ』などで早期の再就職を支援する機会を提供している。
来年度、2万人分の雇用創出を目指す「東京版ニューディール」を打ち出し、雇用対策を強化していくこととしておりますが、
Q1 まず、この緊急支援事業のこれまでの実施状況について伺います。
次に、経済回復の立ち遅れによる失業者の更なる増大も想定しなければならないと考えますので、より一層規模を拡充して取り組むべきと考えますが、見解を伺う。
A(産業労働局長答弁)
○ 都は現在、コロナ禍で離職を余儀なくされた方の早期の再就職を支援するため、キャリアカウンセリングから面接技法などに関するセミナー、就職面接会までを一日で集中的に行う「緊急支援事業」を実施
〇 本事業では、これまでに、コロナ禍でも採用意欲の高い六十社を超える企業の求人を開拓し、約二百四十名の求職者の方が参加
〇 来年度は、事業規模を三百名から千二百名へ大幅に拡充するとともに、若者、中高年、女性求職者のそれぞれのニーズを踏まえ、プログラム内容を充実させ、マッチングのさらなる向上を図る
コロナで仕事がなくなりそうで危機的状況だ、とご相談をいただいていた、接客業・飲食業で働く女性たち三千人の組織にこの『1Dayトライ』を紹介し、参加された方から大変よい評価をいただいている。
一方で、参加までのハードルが高い点も指摘されたので、体験者の声、好事例をPRするなどの工夫もお願いしたい。
コロナ禍は、今まで経済的に自立できていた人ができなくなっているのが特徴。
従来まで行政の支援を受けずに頑張っていた方たちが、最も大きなダメージを受けている。
失業していなくても収入が大きく減少し、生活費の不足を借入した方も多く、収入がもどったとしても、返済については負担、不安を感じておられる。借金された人が無理せず返済するには、節約するというだけでなく、収入を上げる発想も必要であり、そのような視点での支援もぜひ検討をお願いし次の質問へ。
医療提供体制
続いて医療機関への財政支援について伺う。
私の地元杉並区では、コロナの発生当初より発熱外来、陽性患者の入院を率先して受け入れている民間病院が4つあるが、そのうち、複数の病院から、財政的に非常に苦しいので何とか支援して欲しいとご相談を昨年よりいただいていた。
そこで、知事へその要望をあげたところ、迅速に中小企業向けの制度融資における利子・保証料の優遇を医療機関にも拡充いただいた。
しかし、中小企業向けの制度融資だったため、残念ながら従業員数が300人を超える規模の病院などはこの融資の対象外となっていた。
地域の医療を中核的に支える規模の大きな病院の経営が逼迫している事態に対して、大規模な病院を含め、新型コロナに対応する病院への経営支援、利子・保証料の優遇などを含む47回目となる要望を提出致しました。わが会派の要望を受け
Q2 都が新たに開始した従業員数が300人を超える法人向けの利子補給事業の概要について伺う。
A(局長答弁)
○ 都は、金融機関や東京都医師会等との連携のもと、医療機関での資金調達を支援する新たな事業を、最終補正予算が成立した翌日の3月5日から開始
○ 従業員数が300人を超える法人など、中小企業制度融資の要件を満たしておらず、新型コロナの影響により10パーセント以上の減収がある法人等が、今年度中に金融機関への融資申込みを行う場合、来年度から、融資額10億円までの利子について、3年間にわたり最大2パーセント分の利子補給を実施
○ 国制度の無利子融資を上限額まで活用済みの医療機関の資金調達や、緊急的な資金需要への対応など、多様なニーズを支え、医療機関における安定的な運営資金の確保を後押し
我が会派の要望を、迅速に実現してくれたことを評価。
コロナ終息後も地域の医療を支える重要な存在である医療機関を守るためにも、引き続きの財政支援を要望して次の質問に移る。
安全な分娩体制
出産は命がけの行為である。母親は自分の命だけでなく、新たな命を守る責任を背負っている。
コロナ禍でも安心して出産、育児できるよう医療や産前産後の支援体制を整備することが重要である。
東京都では里帰り出産が多いのが特徴である。しかしコロナ禍で里帰り出産は減り、その分は都内近郊での出産が増加すると予想される。
Q3 里帰りしなくても出産できる体制が必要であるが、都内で出産できる体制が確保されているか伺う。
A
○都における分娩件数は、令和元年は前年と比べ、約五千二百件減少
○病院と病院の在勤医師の数は近年ほとんど変動がなく、診療所数も変動はごく僅かであり、受入体制は確保
○今後、都内周産期医療施設等の診療体制や、新型コロナウイルス感染症の影響などを調査
○引き続き、地域で安心して子供を産み育てることのできる周産期医療体制の充実に努める
コロナ禍で出生数が非常に少なくなっているので、その傾向が続けば都内での出産することも問題ないという見立てだとのこと。
都としては、都内で分娩可能な数の管理はしていないとのこと。通常分娩は医療ではないというくくりということだが、都内で産める病院がなかなか見つからないという課題はコロナ以前から存在している。
例えば、4年前だが、妊娠4週目に大田区で病院を探そうとしても3箇所も断られたとのこと。大田区に住む方は約5千人出産しているのに、区内で分娩できる施設は当時半数しかなかったとのことです。杉並区でも出産環境を調べましたが、こちらは比較的問題ないことがわかりました。
残念ながら、都民の出産のうち何割程度が里帰りなどの都外で分娩しているのか、データは見つかりませんでしたが、およそ1〜2割程度ではないかと想像します。
周産期医療についての調査は今後していただく、とご答弁いただきましたが、通常分娩についても都内で産める場所が見つからない出産難民をださないよう、環境整備をしていただくよう切に要望。
続いて、妊婦が万一コロナ患者となってしまった場合の対応について伺う。
Q4 万一妊婦がコロナに罹患してしまった場合、妊娠週数やコロナの症状によって対応が異なると思われるが、受入体制はどうなっているのか。
A
○妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合には、そのリスクに応じて周産期医療体制の中で受入れ
○都は現在、総合的かつ高度な周産期医療が提供できる「周産期母子医療センター」及びミドルリスクの妊産婦に対応する「周産期連携病院」を中心として、対応可能な病院を約30施設確保
○妊娠週数、合併症の有無、分娩の有無、新型コロナウイルス感染症の重症度などの状況に応じて、対応可能な受入先を調整
周産期医療体制の中でしっかり対応していただけるとのこと。
コロナ禍の出産ということで、里帰りしにくい、家族のサポートも受けにくい、たった一人で出産に挑むということで精神的にも妊産婦への負担が大きいですので、引き続き妊婦への手厚いサポートをお願いして次の質問へ。
ポストコロナ
昨年の全死亡数はコロナ禍にもかかわらず11年ぶりに減少に転じた。人的被害を最小限にすべく賢明に取り組んでいただいた関係者のご尽力の結果である。
一方で、保健所体制やコロナ患者に対応できる医療資源のキャパシティーが限界となり、東京の都市活動は大ブレーキを踏むこととなった。
未知のウイルスとの戦いは、科学的に基づくデータもない中、極めて難しい判断が求められる場面の連続であったと想像する。
コロナとの戦いで見えてきた都の課題のうち最も足かせとなったのは、看護士などの医療従事者不足と、保健所や医療機関のデジタル化の著しい遅れなどではないかと考える。
大切なことは、このようにコロナ禍で浮き彫りとなった課題と真摯に向き合い、未来の東京をつくる糧としていくこと。
Q5ポストコロナにおいて、東京が力強く復活し、コロナ以前から潜在化していた課題も合わせて解決していけるよう、DXの視点を取り入れ、「『未来の東京』戦略」、「シン・トセイ」の中で実行計画として具体化すべきと考えるが、知事の見解を伺う。
A(知事)
○ 少子高齢化などの社会構造の変化や、気候危機に加え、デジタル化の遅れなど、新型コロナとの闘いの中で、日本社会が抱える構造的な課題が浮き彫り。
私達は、こうした危機を乗り越え、明るい未来を次の世代に引き継いでいく責務がある。
〇 その鍵となるのが、DX、デジタルトランスフォーメーションの徹底と、課題の根源まで遡った「構造改革」の強力な推進であると私は確信。
〇 今般策定した「『未来の東京』戦略」では、「感染症に打ち克つ戦略」を新たに設けるとともに、幅広い政策について、二〇三〇年に向けた戦略と推進プロジェクト、具体的な三か年のアクションプランを盛り込んだ。
医療分野におけるDXの推進をはじめ、人生百年時代を支える質の高い医療の提供、スマート東京の実現に向けた取組など、ポストコロナを見据え、デジタルの力で都民のQOLを高める幅広い取組を強力に展開。
〇 そのためには、都庁自らが大きく変貌を遂げていく必要。
「シン・トセイ」戦略に基づき、新型コロナ対策の最前線に立つ保健所のデジタル化や、五つのレスの徹底、シビックテックとの協働などに、短期集中で取り組み、都政のQOSを飛躍的に向上させていく。
○ 「未来の東京」戦略と「シン・トセイ」戦略、この二つを車の両輪として、コロナを乗り越え、「東京大改革二・〇」を実現。
力強い決意を感じるご答弁をいただいた。知事のリーダーシップで東京を世界一の都市に導いていただきたい。
出産子育て支援について
従来の社会保障制度が維持できないほど、危機的に少子化は進行している。
しかし、昭和初期の感覚のまま「女性には何人子供を産んでもらわないといけない」といった、時代錯誤な発想で少子化対策を取り組んでも上手くいくはずがない。
重要なことは、子育ての責任を保護者だけに負わせるのではなく、社会全体でこどもを育てやすい環境をつくりあげること。
ひとりの子供を育て上げるには、大変お金がかかりますので、金銭的な理由で子供を諦めるご家庭も多いです。
我が会派の強い要望を受け、出産応援事業として10万円相当の育児関連物品やサービスに利用できる制度を作っていただけたことを高く評価。
この事業では、専用サイトで子育て支援サービスの情報提供を行うとともに、子育てニーズについてアンケートを実施するとしている。(子育て支援サービス等の情報提供は、子育てひろばや困ったときの相談先など、乳幼児を育てる家庭に役立つ情報等を掲載するほか、体罰によらない子育て等の普及啓発も行っていく予定)
また、子育てニーズをアンケート調査することは重要だが、アンケートには表れない、隠れた課題や需要を見つける視点も重要である。
そのためアンケートを集計して満足することなく、多角的な分析が可能となるように年代、居住地、世帯構成、職業などのデモグラフィックデータも取得し、政策の効果検証・改善ができるようにすべきと考える。
→このアンケート結果のほか、対象家庭からの育児用品等の申し込み状況など、事業から得られるデータについては、地域・年代等別など様々な観点から集計・分析を行い、今後の施策の改善等に活用
メディアでも大きく取り上げられましたが、これは大変インパクトのある政策になる。
出産適齢期世代が、出産や育児に対して前向きになれるように機運を盛り上げていきたい。
さて、乳幼児のいる家庭内は壮絶で、育児、家事、仕事を上手にハンドリングできる人はごくごく一部の人だけだろう。そこで
Q7 ママパパ応援事業において精神的肉体的負担が大きい産後の支援を一層充実すべきだが見解は。
A都では、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握して、継続した支援を行う区市町村を支援しており、今年度から、産後の支援を大幅に充実したとうきょうママパパ応援事業を実施
来年度からは、産後の家事・育児を支援するサポーターの派遣を拡充
具体的には、現在は第一子の場合は一歳未満を対象としているところ、三歳未満へ拡大するとともに、第二子以降の場合は兄弟が三歳未満であることを要件としているところ、その要件を撤廃
条件が緩和され、産後支援の対象が拡大したことを評価。
子育て家庭への住宅支援
次に住宅支援について伺う。
都内で子供を育てる上では、教育費に加え、適切な住宅の確保に多額の費用がかかることがあげられる。都内に家を買うにせよ借りるにせよ、子供が増えれば増えるだけ住宅にかかる費用も増加するため出生率を上げるという政策目標を達成する上で、住宅の支援をよく検討することが必要である。
都営住宅は、低廉な価格で住宅を供給するセーフティーネットとしての役割をにない、間取りの多くは3DKなどファミリータイプである。
であるならば、20代の若年夫婦など、まだ所得が少ないが出産適齢期の夫婦にはうってつけの住宅支援制度であるはずが、入居の実態は65才以上の世帯が全体の66%であり、そのうち半分が単身で暮らしている。
(杉並区の都営住宅に居住されているお子様3人いるご家族にお話を伺った。
日当たりのよい角部屋3DKで5人家族でも快適に暮らせるとのことだった。一方で、同じ間取りの他の部屋はほとんどが一人暮らしとのことだった。都民共通の資産であるので、より多くの人が入居できるよう、単身者用の部屋にできるだけ移動してもらうなど、工夫すべきである。)
都は若年ファミリーを都営住宅に積極的に入居できるような取組を行っているものの、直近の実績で募集数の2割以下であるので、少子化対策としてより推進してほしい。
また、都営住宅の収入基準を超える方でも、若年層、ファミリー層では住宅に困っている方が都内には数多くいらっしゃる。そこで
Q8 若年夫婦の子育てを一層応援するため、収入の多寡に関わらず、子供の健やかな成長に適した住宅で暮らせるよう、都として取り組むべきと考えるが、見解を伺う。
A
・都営住宅では、子育て世帯は、優遇抽せんやポイント方式の募集の対象。期限付き入居制度においても、利便性の高い住宅を提供し、対象世帯の拡大や入居期限延長など、制度を拡充
・ 民間賃貸住宅では、子育て世帯を含む要配慮者の入居を拒まない東京ささエール住宅について、登録協力報奨金制度等により登録を促進するとともに、区市町村が実施する家賃低廉化補助に対し財政支援を実施
・ 今後も、こうした取組により、子育て世帯の居住支援を展開
都営住宅だけではキャパシティーに限界があるので、民間や自治体とも連携し、少子化対策としての住宅政策を推進していただくことを要望。
子供の健やかな成長のための取組み
こどもの権利を守ることは社会として大人として当然の責務だが、こどものおかれている家庭環境によっては、その当然の権利が脅かされている実態がある。
虐待サバイバーの生々しい実体験を直接伺う機会があった。当事者として、乗り越えてきた体験と、今なお苦しんでいる被害者の子どもの支援を行っている経験を伺い、行政として改めて子どもの人権を守るため、現場の課題解決になる施策を進めなければと痛感したところである。
虐待防止には事件が発生してから発覚までの時間がかかるので、周囲がいかに早期にリスクを察知して支援に繋げるか、未然防止の視点が必要である。
Q9 子育て中の親の悩みや困りごとに寄り添うだけでなく、出産前からこれから親になる人に向けて、虐待が子供に与える影響や子供に向き合うポイントなどを周知していくことも必要である。また、社会全体で子育て家庭を支援するため、虐待を受けてきた当事者や支援組織などの協力も得るなど、効果的な普及啓発を実施することが重要だと考えるが、都の見解を伺う。
A
〇 都は「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」を制定し、社会全体で体罰等によらない子育てを推進するための啓発を実施
○ 具体的には、昨年度、子育て世代向けのハンドブックや動画を作成し、両親学級や育児相談の機会等を捉えて啓発
〇 今年度は、子育て支援のWEBコンテンツや、虐待を受けた経験のある方の声を盛り込んだ支援者向けのハンドブック等を作成
当事者、虐待サバイバーの視点を取り入れている点は評価。犠牲となる子供を一人でも減らせるよう早期に発見、支援につなげるよう改善活動を続けていただきたい。
家庭内という閉鎖空間で子どもが危険な状態に置かれていることは、第三者から発見することは極めて困難である。その点、子供と日々接している学校の教員が虐待の早期発見には重要な役割を果たしている。そこで
Q10 都内公立小・中学校及び都立学校ではどのような取り組みを行っているのか。(教育庁)
A ・都教育委員会は、都内公立学校の全ての教員に毎年配布している「人権教育プログラム」に、児童虐待の早期発見に向けたチェックリストを掲載するとともに、教員研修セットを開発し、これらの確実な活用を促してきた。
・また、学校が子供のSOSを早期に受け止められるよう、全ての小・中・高等学校にスクールカウンセラーを配置するとともに、定期的に実施するアンケートの様式を示すなど、学校の相談体制の充実を図ってきた。
・こうした取組を通して、学校が、子供の小さな変化も見逃さず、虐待の疑いがあると考えられる場合には、警察や児童相談所等の関係機関と連携して対応するよう、徹底を図っている。
学校などでは教員向けのプログラムで、子供たちの小さな変化を見逃さない、疑いがある場合はすぐに警察や児相に通報するという流れができているとのこと。
中高校生など思春期を超えた年頃の子供は、それまでに虐待を長年受け続けているので、その状態にあきらめて適応してしまっており、つらい、とかいやだという感情を封じ込めてしまっているとのこと。
保護されても心理的に健康な状態に回復するのが非常に大変で、更に社会に適応していくためには、専門家による根気強いケアが必要不可欠である。
保護者から離れ、児童養護施設に入所すれば問題は解決ではなく、そこからがスタートである。
虐待サバイバーに対して、心身の健康を取り戻し、施設退所後も自分らしく自立して生きていけるよう、入所中から継続した支援が必要であると考えるが
Q11 児童養護施設に入所した子供たちの自立に向けた支援について、都の取組を伺う。
【局長答弁骨子案】
○ 都は、児童養護施設入所児童等が、退所後も自立し安定した生活を送ることができるよう、施設に自立支援コーディネーターを配置
○ また、国制度により、自立支援を担当する職員を一名配置した場合に、運営費を増額して支援
○ 退所児童等が、生活や就労上の悩みを相談できるふらっとホーム事業を都内2か所で実施するほか、働きやすい職場の開拓等を行う就業支援事業も実施
国の予算もついて、支援体制は拡充されているとのこと。仕組みは整っているので、いかに中身を充実させるか、運用面が大事。
本来家庭で培われるべき自己肯定感を取り戻し、社会の一員として生きぬく力を養っていけるよう、支援の質を高めていって欲しい。
都庁DX・働き方改革
都庁職員の働き方改革を進める上で議会事務も例外ではない。書類を議員ひとりひとりに持参し、手渡しすることや、1文字の誤植のために、議員ひとりずつ訪問して資料を配布する、といった事務が習慣になっているのは非効率である。電話やメールで済む要件の場合、対面は必要ないと考える議員も増えているし、職員の働き方改革を進め、仕事の質を上げるには我々議員もより効率的な方法を選択すべきである。
職員はウェブ会議を外部ともできるように環境整備されつつある。
Q12議員とのやりとりにおいても、議員側が従来型の対面打ち合わせではなく、オンライン会議ツールを活用したウェブ会議などを実施したい場合、都職員側としては、議員を含めた外部とのWeb会議ができる環境の準備はできているということで良いか。
A (戦略政策情報推進本部長答弁)
〇 都政運営にあたっては、都庁のデジタルトランスフォーメーションを強力に進め、新しい働き方を実現するとともに、都庁内に限らず民間との協働や多様なプレーヤーとの連携が重要
〇 このため、職員のみならず外部の方々も参加可能なWeb会議システムの導入について検討し、整備を推進
〇 この結果、本年3月1日より、都職員が日常的に使用する東京都高度情報化推進システムで、指定したツールにより、庁内ネットワーク外の方とのWeb会議の実施が可能
Webミーティングに切り替えていくなどは全く問題ないことが確認。
我が会派ではコロナをきっかけにzoomなどを使ったオンライン会議を実施していて、職員の方とのやりとりにも使い始めたと伺っている。
デジタル都庁を目指すにふさわしく、より効果的で効率的な方法に働き方を変えるべき。
ただ議会事務については、なかなか職員側から議員に対して変えましょうという提案は難しいため、我々議員側から率先して改革していくべきである点を強調しておく。
健全な財政運営
私は都議就任1年目の決算委員会の時から、政策評価、事業評価の一層の強化を訴えてきた。
コロナ禍で財政需要が増える中、より一層メリハリの効いた事業運営が必要であり、その最初のステップは見える化である。
そこで、最少の経費で最大の効果を生み出すための工夫ともいえる事業評価の取組はワイズスペンディングの観点からも重要であり、今後もその取組を強化し、都財政の状況も含め、しっかりと都民に見える化を進めるべき。
都は、平成二十九年度予算編成から、全ての事業に終期を設定し、事業評価の実施時期をルール化することで、施策のPDCAサイクルの一層の強化を図り、施策の新陳代謝を促進している。
事業評価の取組を強化し、その成果を見える化していくことは、都政のアカウンタビリティー向上の観点からも重要である。そのため、終期を迎える事業や、施策の実効性・効率性の向上につながった好事例等について、予算発表時に、事業の達成状況や、見直しの内容を分かりやすく示すなど、評価結果の見える化の工夫を図っている。
今後も、決算時に毎年公表している「年次財務報告書」等を通じて、都財政の現状分析を積極的に発信するなど、都財政の見える化に一層取り組んでいく。
とのことである。事実、小池都知事の就任から、財政の見える化は劇的に進み、事業の公表件数は2.5倍となっていることは評価する。
一方、都の全事業は5000以上あるが、そのうち公表されているのはまだ3割以下であり、残りの7割以上の事業についてはどんな内容で、いくらの予算がかけられているのか、都民から見えない状態。
また、東京都は巨大な事業体ですから、そのPDCAサイクルを回すため適切な管理指標の設定も必要。そこで、事業の費用や内容、進捗、成果といった情報を見えるよう工夫を図るべきである。
こうした業務を進めるには、従来のようなアナログの作業、人海戦術ではなく、業務改革DXを活用することで、膨大な情報を早く正確に集計分析することも、重要な視点である。
Q14 DXの力を最大限に活用しながら、効率的・効果的に、都の事業や都財政の見える化に一層取り組むべきと考えるが、知事の見解を伺う
A(知事答弁)
・都の事業や財政状況について、デジタルの力を活用しながら、より具体的かつ分かりやすく発信し、都民の皆様の理解が一層進むよう努めることは重要である。
・そのため、今般、来年度予算案の発表に合わせ、都民がWeb上の簡単な操作で見たい情報を検索・閲覧することができる「TOKYO予算見える化ボード」を新たに開設し、予算案の全体像や財政運営上の工夫、主な事業の概要について、グラフ等を用いて分かりやすくお示ししている。
・また、作成に当たっては、全庁で導入したデジタルツールを活用して、職員自らが構築しており、随時、内容の充実を図っていく予定である。
・今後も、都民への説明責任を果たす観点から、更に工夫を重ねることで、デジタルを活用した都の事業や財政状況の見える化を一層推進していく。
政策評価において、内部統制、自律的改革が重要であるのは言うまでもないが、それだけでは不十分で、外部のチェック、第三者による目が必要である点は当初より強調してきた。
議員の仕事は都政をチェックすることであると認識しているが、
目玉となる新規事業だけに目を向けるのではなく、従来から続けているが、すでに時代にそぐわないもの、見直しが必要な事業を炙り出すことも重要な役目である。
特段の理由がない限り、全ての事業について、その内容と経費、期待される効果について、つまびらかに都民に公表していくことは、説明責任を果たす上で重要なことである。
また都民に対しても、全事業の詳細を公表することで、様々なご意見、ご指摘が集まると思うので、政策への理解が深まり、政治参加が進むと考える。
一層の財政の健全化、ワイズスペンディングをお願いし、質問を終わる。