令和4年一定 総務委員会 あかねがくぼかよ子委員(都民)              

子供政策連携室の役割

来年度から開始するCDR(チャイルドデスレビュー)について伺います。

チャイルドデスレビュー(Child Death Review; CDR)とは,事故や虐待を含むすべての子どもの死亡事例について,死亡時の状況や死亡者周辺の環境を調査するとともに,医学的検査を行うなどして幅広く検証し,その所見を集積し分析することによって死亡の再発の予防策について有効な勧告等を行い,子どもの健康や社会の安全・福祉に寄与することを目的とする制度です。

昨今、東京都の19歳以下死亡発生状況の年次推移を検証すると、死亡数・死亡率ともに年々減少していますが、自殺だけが増加しています。子供たちのメンタルヘルスを保ち、将来に希望を持てるよう、早急に環境を改善しなければなりません。

昨年10月からわが会派では有識者との勉強会や意見交換を実施し、知事への要望などを重ねてきた結果、12月の第四定例会において、「防ぎ得る子供の死を減らすため、チャイルドデスレビューも含め、関係期間と連携し、子供の安全と安心を支える施策を進めていく」と知事より答弁をいただき、来年度事業化につながったところです。わが会派の要望を受け止め迅速に取組を始めることを高く評価します。

さて、CDR(チャイルドデスレビュー)について先行する厚労省のモデル事業を進める自治体において、問題が起こっていると聞いています。

都が来年度から取り組むにあたり、予め陥りやすい問題点を把握して、うまく対処ができるよう、質問させていただきます。

CDR(チャイルドデスレビュー)では子供の死亡事例を全て検証していくものですが、課題が複雑で多岐にわたるため、教育・建設・警察などの多くの所管部課との折衝が必要となります。

厚労省が主導する取組でありますが、傘下の関連部課に多数の関係者がおり、検証に必要な多岐にわたる職種の参加を依頼しても、なかなか実現してないとのことです。

また、必要な情報に関しても、それぞれの組織の制約があり、提供してもらうのが困難とのことです。

そこで、東京でCDRを実施する際は、子供に関わる組織を横断的に連携させる必要があります。

Q1 都においてCDRの取組を機能させるためには、子供政策連携室にしかるべき権限を持たせ、複数の局部課の連携が滞ることがないようにすべきと考えますが見解を伺います。

A1(髙﨑人事部長答弁)

○ 来年度、福祉保健局ではチャイルド・デス・レビューの実施に向け、医療機関等に対して、子供の死亡情報等に係るヒアリングを行うとともに、国のモデル事業に取り組む自治体の実施体制等を調査すると聞いている。

○ 子供政策連携室は、従来の枠組みでは対応が難しい分野横断的な課題に対して、総合調整機能を発揮し、各局が連携して対応していくが、個別の事案に対する具体的な連携の在り方については、今後新体制の下で、関係局との議論の上、検討を進めていくものと認識

従来の枠組みでは対応が難しい分野横断的な課題に対して、総合調整の機能を発揮することが子供政策連携室の役割である、ということで前向きなご答弁をいただきました。

真のチルドレンファースト社会の実現に向けて、防ぎうる子供の死を徹底して防いでいくことは、真っ先に進めなければならないことです。新体制の子供政策連携室において、CDR(チャイルドデスレビュー)の取組についても責任を持って機能を果たしていただくよう要望します。