持続可能な医療に向けたオンライン診療(遠隔医療)

遠隔医療とは情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為のことで、主に以下2つのパターンがあります。
・医師対医師(DtoD):主治医が専門医と連携して診察を行う
・医師対患者(DtoP):オンラインで診療等を行う

遠隔医療は長らく医療資源の乏しい地域にだけ必要と考えられてきましたが、感染症流行時や災害発生直後などの有事の際には、都心でも必要不可欠な社会的インフラです。また、多忙で病院に行くことができない働く世代にとっても有用です。

院内感染を防ぐオンライン診療

先月末の都議会の一般質問で、遠隔医療(特にオンライン診療)を東京でも推進するように提案しました。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、院内感染リスクが高まる中、一般の疾病での診療は、極力通院することなく、診察や薬の処方をしてもらいたいと考えたからです。

詳しくは、遠隔医療(本会議あかねがくぼ一般質問)

当初(一般質問の2、3日前までは)その提案に対してそれほど前向きではありませんでした。(理由は医師側からの要望があがっていないとのこと)そのため、私の一般質問で取り上げることはやめて欲しいという態度でありました。

しかし、新型コロナウイルス感染症への対策が、刻一刻と変化する状況において、私も「都民からは要望がある、院内感染の心配がない医療体制が必要」という確信もあり、

国に対し、オンライン診療が可能となるよう、速やかに検討することを緊急要望する。今後、国が定めた基本方針も踏まえ、医師会等とも連携し、感染防止の観点から、医療機関を受診しなくてもよい体制づくりに取り組んでいく。

と答弁を引き出すことができました。ほんの数日前は「その質問には何も答えられないので。。。(質問しないで欲しい)」という態度だったので豹変には驚いたが。

周囲の事情が2、3日で大きく変わったという点が大きかったのでしょう。また私も「どんな回答になろうと、大切な点なので質問させていただく」と譲らなかったことが功を奏したのか。いずれにしても一転、オンライン診療を推進するという立場になってくれたことを大変よかったと思います。

国の基本方針でも今後患者が大幅に増えた状況では、「継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、電話による診療等により処方箋を発行するなど、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制をあらかじめ構築する」としています。

すでに平成30年度診療報酬改定で「オンライン診察料」が創設されており、再診については遠隔での診断ができる制度になっています。( 但し、診療できる対象が限定的であり、使い勝手が悪いのが今後の課題である→後述)

5Gによる遠隔医療で膨れ上がる医療費にブレーキがかけられるか?

<世界の状況>
世界を見ると、米国に続き欧州でも遠隔医療は成熟してきている。シンガポールは急速な高齢化や医療費増大という社会課題の解決にむけ、官民連携でこの分野に取り組んいます。例えば、血液や唾液のサンプルをデバイスで読み取って検査し、その結果を医師が確認し利用者にアドバイスします。ブロックチェーン技術を利用することで、プライバシーを守りつつデータを安全にやり取りできるそうです。

<日本の状況>
平成30年度診療報酬改定「オンライン診察料」が創設
在宅療養中や生活習慣病の再診など、オンライン診療が可能に。

働く世代にとって長い待ち時間が常態化している通院治療は極力避けたいものである。高血圧症、糖尿病などの生活習慣病は通院の負担が大きいと治療を中断しやすく、重篤化を防ぐことができない。また高齢者など移動困難者にとっても遠隔医療は有効である。
しかし、我が国の遠隔医療は島嶼や僻地など限られたものであり、都心にはほとんど普及していない。遠隔医療どころか、地域医療連携システムに必要となる電子カルテすら約2/3の中小病院が導入していないのが実態である。
一方で国の動きとしては、H30年度診療報酬改定で「オンライン診察料」の創設するなど、オンライン医療を推進する立場で準備を進めている。また昨年秋からは制度改正により国家戦略特区を活用したオンライン処方が都市部にも認められ、千葉市はこの制度に参加し、診察から薬の受取まで一気通貫での遠隔医療体制づくりにむけ取組を始めている。

 

医療研究としては、アップルウォッチなどのウェアラブル端末を使って血圧や心拍数などの生体情報を取得し、症状や薬の効果などを分析するといった取組が、日系企業や大学で始まっています。

超高齢社会において、医療費の抑制は重要課題ですが、デジタル技術を使い「健康の自己管理→予防医療→医療費抑制」という好循環が生まれます。健康管理と遠隔医療の体制を一体的に実現することで、真意を発揮します。

「目前に迫る5G時代に相応しい都市型の遠隔医療体制を整備していくべき」との私の提案に対して、
「国の進める遠隔医療の実証実験の成果も参考にしながら、都における遠隔医療について検討していく」と東京都福祉保健局長が回答。

オンライン診療を都心で進める上での課題

遠隔医療(特に医師対患者)は都心にはほとんど普及していません。私の住んでいる杉並区内でオンライン診療ができるクリニックを探してみましたが、2つ程度しか見つかりませんでした。

医師対患者の遠隔医療であるオンライン診療を都内に広く普及させるには、診療報酬の問題などで様々な課題があることがわかりました。すでにオンライン診療を提供中のドクターにお話しを伺ったところ、今後の社会にとってポテンシャルの高い仕組みであることは間違いないので、オンライン診療が広く利用できるようにしていくべきだとおっしゃっていました。

5G時代の到来に際して、遠隔医療、そして持続可能な医療制度に進化するよう私も推進してまいります。

https://a-kayo.com/Tosei_Report_No8.html

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56879340X10C20A3000000/

友だち追加