R2決算特別委員会 生活文化局関連の質問をしました。

コロナで身近な相談相手や気軽に吐き出せる場が必要

プライバシーを守りつつ、気軽に相談できるポータルサイト『TOKYOメンターカフェ』が開設しました。R2年に文教委員会のメンバーの一人として推進してきた事業です。

近年はコロナ禍で人との交流が少なくなり、ちょっとした不安や悩みを吐き出す機会が少なくなってきました。
特に女性は家族や子供のこと、仕事との両立などさまざまな困難をひとりで抱えてしまい、メンタル不調にもつながりやすい。
現代においては近所付き合い、親戚付き合い、ママ友づきあいなどもライトなものになってきています。
一方で、夫婦間のトラブル、子供の不登校など、家庭内の悩みは深まっているため、プライバシーを守りつつ、様々な悩みを信頼できる相手に相談できる場が求められている
そのようなニーズに対応した「TOKYOメンターカフェ事業」です。


Q ローンチ直後の1ヶ月の相談件数は70件、対して今年度は6ヶ月で170件となっているので、相談件数がやや減っているようだが、どのような広報を行っているのか伺う。


A〇 TOKYOメンターカフェの周知を図るため、本年3月の開設に合わせ、検索サイトやSNSへの広告掲載や、経済団体や医療、教育など、幅広い分野の民間団体等を通じて広報を実施
〇 令和3年度には、「広報東京都」に事業紹介の記事を掲載するとともに、駅構内のデジタルサイネージへの掲出などを実施。相談を寄せる方に加えて、投稿された相談内容やアドバイスを見にくる方なども多く、今年3月から9月末までの累計で約13万回のサイトへのアクセスあり。今後も、検索サイトやSNS等を活用した広告掲載を実施するなど、広報の強化に努める


相談自体は落ち着いているが、他の人から投稿された相談を閲覧している数が非常に多くなっているということがわかりました。
連合東京の女性委員会の方との意見交換会の中でも、コロナ過で孤立が進み、ちょっとした相談、吐き出せる場が必要という要望をいただいている。
そのようなニーズに対して、TOKYOメンターカフェはうってつけである。残念ながら、利用者ひとりひとりにまで浸透できていないのが現状なので、引き続き、検索サイト、SNS、様々な団体にPRを行い、周知を図っていただきたい。


Q メンターの回答は相談者の立場に寄り添った、とても素晴らしい内容のものが多いと感じた。一方で、相談者から最初の投稿がされてから、メンターの回答がくるまでの期間が1ヶ月かかっているものもあるが、通常は相談の投稿から回答までどれくらいの日数がかかっているのか?
回答までの期間を極力短くしていくべきだと考える。今後の利用者が増加する場合も含めてどのように対応していくのか伺う。


A(骨子)
〇 TOKYOメンターカフェでは、仕事や子育て等の経験のある方が「都民メンター」となって相談者に対しアドバイス。アドバイスは、都民メンターが、自主的に対応する相談を選択し、自らの経験を活かして行う仕組み
〇 相談者の投稿から、概ね1週間以内には、アドバイスを掲出し、1週間以上対応されていない相談については、都民メンターに定期的にお知らせし、アドバイスするよう促している
〇 より多くの相談に対応できるよう、今年度中に都民メンターの方を新たに募集し、体制の拡充を図る予定


おおむね1週間程度で返事をしていただいているということで安心しました。
都民メンターも新たに募集をして体制を拡充していただけるとのことで、今後はTOKYOメンターカフェのことが知れ渡れば知れ渡るほど、利用者が増えると思われるので、人員をあらかじめ備えていただけるようお願いしたい。
都民メンターについては、非常に的確なアドバイスを相談者の状況に寄り添って行っていただいています。募集に際しては、面談などを通して適性なども判断して選ばれているとのこと。
しかもボランティアで協力いただいているということで、本当にありがたいこと。過度の負担にならないよう、メンターの方からも意見を聞きながら改善と工夫をして運営していただきたい。
最後に、TOKYOメンターカフェは女性のための事業として進んでいるが、私のもとには男性からも相談できる場所がほしいという声が届いている。今後の方向性としては女性専用とせず、すべての方へ門戸を開いていくことを提案したい。
ますます男女平等参画が進んでいくことで、男性も家庭や人間関係、仕事との両立、育児の悩みなどを気軽に匿名相談ができる場があることは重要であると考える。
今の事業の建付けを少し発展させることで、男性やLGBTの方も含めて相談ができる事業にできるとよりよいのではと考える。


多様性社会にふさわしく、ぜひTOKYOメンターカフェを女性、男性と性を区切らず、誰に対しても開かれた相談場所としていただくよう要望します。


男性の家事・育児参画に向けた気運醸成事業について


少子化問題への対策の一つとして、夫の家事育児時間が多いほど、二人目、三人目が生まれやすい(出生率がアップする)ということをご存じでしたか?
それに関連した先週の決算特別委員会での質疑をご紹介します。

都内の女性就労率は8割を超え、妊娠出産期に女性の離職率が高まることで起こるいわゆるM字カーブが解消されてきています。
これは男性の家事育児参画を当然である、という風潮にしていくことが緊急に求められています。

Q1 令和2年度の男性の家事・育児参画に向けた気運醸成の主な取組とその決算額について伺う。

A1(骨子)
○ 令和2年度の男性の家事・育児参画に向けた気運醸成の主な取組とその決算額であるが、家事・育児の具体的なノウハウや体験談など子育て当事者男性や夫婦に役立つ情報をウェブサイト「パパズ・スタイル」により発信、その決算額は約1千万円
○ マネジメント層や親世代など当事者男性の周囲の方々の理解と協力も必要なため、そうした方々に向けて、新聞等への記事広告を掲出、その決算額は約700万円

若年男性、夫婦の間では男性の家事育児への参画が当然という価値観が根付いてきているように感じるところであるが、残念なことは、昭和初期の男女の役割分担意識のまま、現在、組織における管理職などの責任ある方が、男性若手社員が育休を取得したり、ワークライフバランスを取った働き方をしようとすることに難色を示す風潮が根強く残っているということであります。

Q2 そこで、今後はシニア世代の管理職の意識改革について特に注力していくべきと考えるが、どのような取り組みを行っているのか。

A2(骨子)
○ 親や上司の意識は、男性自身の家事・育児参画に対する意識にも大きな影響を与えることから、令和2年度は、経営者・役員層に向けた雑誌や、日本経済新聞に記事広告を掲出。親・上司世代が持つ固定的な性別役割分担意識の払拭に取り組むとともに男性の家事・育児参画に理解を求めるメッセージを発信


日本経済新聞などシニア世代の管理職世代が多く購読する媒体に積極的に露出して訴求している点は評価。今後は、企業経営者、管理職に対するアンケートなどを実施して、男性の家事育児参画に対する機運情勢、意識改革が進んでいるのかKPIとして管理していってほしい。
子育て当事者世代、若年男性に向けた普及啓発については、ウェブサイトやSNS、広告などを通して取り組んでいただいているが、まだまだ一部の人の間にしか波及していない。一方で、洗剤の広告に人気男性俳優が登場したりと、若い時代の感性はすでに変化しています。

Q3 都としてもより多くの都民を巻き込むために、広報や普及啓発については、民間企業などとの連携も含めて検討すべきと考えるが、見解を伺う。

A3(骨子)
○  都では経済団体や医療・教育など幅広い分野の民間団体で構成された、女性も男性も輝くTOKYO会議において、都の取組の周知や民間の好事例を共有、男性の家事・育児参画に向け民間とも情報連携を図ってきた。
○  今年度は、男性の家事・育児参画に向けたマインドチェンジキャンペーンを実施。この中で東京都女性活躍推進大賞受賞団体など民間企業の優れた取組を好事例として紹介。また、インフルエンサーの発信力を活用するなど、多くの都民を巻き込むことで社会全体の意識改革に向けたメッセージを発信


経済団体や医療・教育など幅広い分野の民間団体で構成された、女性も男性も輝くTOKYO会議 などを通して、多くの主体と情報連携を図っているとのこと。
強調したい点は、都民全体を巻き込む普及啓発になるので、行政としてはレバレッジを考えて取り組んでもらいたいということ。行政だけで情報を伝えるのは限界もある、まして意識を変えるということは非常にハードルが高いので、民間の力を借りなければ達成できない。
今年度にはキャンペーンもしていくとのことだが、都が直接広報するだけではなく、いかに影響力のあるプレイヤーに広報していただくか、が多くの都民を巻き込む鍵になるので、その点は十分に留意してすすめていただきたい。