令和4年11月10日(木)に行われました【東京都議会】経済・港湾委員会。
産業労働局事務事業について、あかねがくぼかよ子(都民ファーストの会)より行いました「中小企業のイノベーション 」「新産業の育成」についての質疑内容を紹介いたします。
目次(クリックで各項目へジャンプします)
中小企業のイノベーション
次に、中小企業への設備投資助成について伺う。
世界の市場は急ピッチでイノベーションを繰り返し、都内の中小企業も国際競争と無関係ではいられない
都内中小企業はコロナ禍以前から約7割が赤字経営とな ってしまっており、生産性向上はまったなしの課題である。
都は近年、競争力強化につながる躍進的な事業推進のための設備投資支援事業 をおこなっている。IoT、AI,ロボットなどの第四次産業技術の活用等でイノベーショ ンを図るための最新機械設備の導入経費を最大1億円まで助成するものである。
長引く原油や原材料の高騰に加え、円安の影響を受け、厳しい経営状況においても成長していくためには、競争力や生産性の向上などに加えてエネルギーコストの削減に繋がる設備投資について、後押ししていくことが重要である 。
Q8都は、「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」において、20億円の予算を措置し、競争力を強化しながら省エネ、脱炭素に取組む事業者の設備投資に対して新たな支援を開始しているが、その概要と、これまでの支援事例について伺う。
A8(商工部長答弁骨子)
- 都は、今年度、エネルギーコストの削減対策として、競争力を強化しながら、CO2排出量の削減や省エネを図る設備投資を行う中小企業を支援する「競争力・ゼ ロエミッション強化区分」を新設し、機械設備の導入に必要な経費の最大4分の3、 1億円を上限に支援。
- 採択した案件の中には、図面データを入力すると切断や穴あけなどの加工を自動で連続して行うことができる最新の機器を導入する事例や、高い精度が要求される燃料電池検査システム用の部品を加工できる装置を導入し、高品質化と量産化を図る事例など、生産性や競争力を向上させながら省エネ等を図る優れた取組が存在。
- こうした取組により、中小企業の脱炭素や省エネに向けた取組を支援。
A8について あかねがくぼコメント
中小企業が生産性の向上に加えて、脱炭素や省エネを図る設備投資をしっかりと支援していることがわかった。
私の知り合いの中小企業も何社かこの事業に申し込みされました。1 社は採択さ れた、他はされなかった、とご報告をいただき、様々お話を伺ってきた。
1億円という突出した規模の助成金となることから、注目を集めており、応募も多くなかなか採択されるのも難しいだろう。公正な審査を経て採択企業を決定し、イノベーションの創出までしっかり伴走していただきたい。
また、残念ながら不採択とな ってしまったとしても、他の支援の対象になることは十分にあるので、丁寧にガイドして、都内企業の底上げにつながるようにサポートをお願いしたい。
新産業の育成
次に新たな産業の創出支援について伺う。
既存企業の多くは外部環境の変化や時代の変化によって、非常に厳しい経営環境 におかれている一方で、これから成長が期待できる分野として、グリーンとデジタ ル、シェアリングエコノミー、クリエイターエコノミーなどが挙げられる。
これらの新たな産業に、都内経済を牽引する一翼をになってもらうことも都政運営において極めて重要である。
そこで、世界市場の中でも日本の存在感が高いクリエイターエコノミーについて伺 う。
“クリエイターエコノミー”とは、動画や文章、イラストなどデジタルコンテンツの提供や自身で制作したグッズやスキル、また、クリエイターの活動を多面的に支援する 周辺サービスも含めた経済圏のこと。
この“クリエイターエコノミー”の国内市場規模は、『三菱UFJリサーチ&コンサルティング』の調査によると、1兆円を超えた。
Q9 こうしたクリエイターエコノミーを含むコンテンツ産業に従事する事業者に対して、都として今まではどのような支援を行ってきたか伺う。
A9(答弁)
- 都は、海外での評価も高く、国内外での市場の成長が見込まれるコンテンツ産業の振興に向けた支援を実施。
- 具体的には、アニメで海外展開を目指す事業者や個人などに、知識やノウハ ウを身に付けるセミナーやワークショップを開催しており、現在、全8回のうち5回が 終了し、参加者は延べ100 名。
- 併せて、コンテストによって選出された優れた企画力を持つ事業者等には、海外の見本市への出展支援を行っており、今年度は5者が出展し、123 件の商談が 実現。
- ゲームや映像などを制作する事業者や個人などには、NFTやWeb3などの新しい技術に関する最新の情報を提供するとともに、新たな事業展開に向けた相談対応を実施。
A9について あかねがくぼコメント
クリエイター活動を行う上での課題のうち、「法律や税金等の事務処理」や「個人での企業交渉」、「トラブル対応」など、専門的な事務の課題が上位にあがっている。
また、クリエイターの4人に 1 人が誹謗中傷を受けた経験があり、個人で活動して いる人が大半であるため、行政としてもこのような課題に寄り添った対応、支援を業界と協力して取り組んでいただくことを要望。