株式を活用したクラウドファンディング

都は、世界一のスタートアップ都市を目指しているが、そのためには資金調達支援の充実が非常に重要である。

都はこれまでも、商品や、サービスへの共感や応援の気持ちを広く資金調達に繋げる購入型や寄付型のクラウドファンディングの利用に対する支援事業を実施し、創業者の資金調達や、テストマーケティングなどを支援してきた。

最近、クラウドファンディングにおいては、より調達金額の大きい、株式を活用した手法も出てきており、創業者が必要としている資金調達の多様化に向け、こうした新しい手法の活用や普及は重要と考えている。

Qこの度、都としても、株式を活用したクラウドファンディングによるベンチャー企業支援事業を新たに実施するとのことだが、どのように取り組むのか、伺う。

A(金融支援担当部長答弁)

○ 都はこれまで、創業希望者等が、商品開発等のために資金を募る購入型や、社会的活動等への共感をもとに寄付を募る寄付型のクラウドファンディングを利用した際に支払う手数料について助成

○ 来年度、これに加え、創業から5年以内のベンチャー企業が株式を発行することにより、その企業の理念や取組を応援する多くの人から資金を集めるクラウドファンディングを利用した際の支援を行う。具体的には、クラウドファンディング取扱事業者に支払う手数料の2分の1、限度額300万円までを助成

○ また、利用するベンチャー企業の主たる事業がHTT、ゼロエミッションやDXに資する場合には、特例として手数料の助成率を3分の2、限度額を400万円まで引き上げ

○ 併せて、無料セミナーの開催や相談窓口の設置により、株式を活用したクラウドファンディングの仕組みや成功事例の紹介

○ ベンチャー企業による新しいビジネスへの挑戦を後押しするとともに、新しい仕組みである株式を活用したクラウドファンディングの普及も図る

株式を活用したクラウドファンディングの活用を推進するとともに普及を図ることで、実績がなく通常の融資による資金調達が難しい企業にも選択肢を広げていくことは、ベンチャー企業の新たな挑戦を支援し、都が、世界一のスタートアップ都市になることに繋がると思う。

今後とも金融の様々な手法を用いて企業の資金需要に応えていってもらいたい。

中小企業等の脱炭素化の促進 

脱炭素社会の実現に向けては、大企業だけでなく中小企業等も含めた サプライチェーン全体でのGX(グリーントランスフォーメーション)の取組が不可欠だが、 中小企業等の多くは、カーボンニュートラルについて自社の経営に何らかの影響があると感じつつも、具体的な方策の検討に至っていない状況。そこで、中小企業等によるGXの意欲的な取組を資金面、情報面から支援することが必要。

都は来年度の新事業でカーボンクレジットを活用し、中小企業等の脱炭素化を促進するため、排出量取引事例を創出する取組等を予定している。(予算額:7億4千7百万円【新規】)

Q2中小企業等における排出量取引創出事業について、先の予算特別委員会で、我が会派の藤井議員の質問に対し、専門家派遣、設備投資・クレジット認証取得費補助等を実施する旨の答弁があったが、具体的にはどのような企業が対象になると考えているか。また、何社ぐらいが対象となると見込んでいるのか?

(A2)産業政策連携促進担当部長答弁

○ 本事業は、中小企業等が削減したCO2排出量を、市場システムを通じ取引ができるよう後押しするもの

○ 具体的には、中小企業が、Jクレジット制度の市場に提供するクレジットを創る取組と、自社での削減に加え、クレジットを買い取る取組をサポート

○ 支援対象としては、CO2を多く排出する設備を使用する事業者が、改修等により排出量を削減する取組などを想定

○ また、規模については、それぞれで3社ずつ、合計6社程度を予定

Jクレジット制度の下で、削減したCO2排出量を、クレジットとして市場で売買できる。都の支援では二種類あり、クレジットを創るつまり売る側への支援で3社、更に、自社でのCO2排出量削減に加えて、クレジットを買う企業の支援で3社程度が予定されているとのこと。Jクレジットを購入する企業は、クレジットを創って売る企業よりも更に意欲的な削減目標を掲げている。そして、専門家派遣、設備投資に加え、クレジット購入費補助、サステナブル融資が支援の内容にあがっている。

(Q3)クレジット購入費補助とサステナブル融資について、それぞれどのような要件を満たせば補助の対象になるのか伺う

(A3)産業政策連携促進担当部長答弁

  •  Jクレジットの購入支援は、自社でのCO2排出量削減の取組に加え、市場から購入したクレジットを充当することで、意欲的な削減に取り組む企業を後押し
  •  具体的には、都が認めた削減目標を達成することを前提に、更なる削減に向けて市場からクレジットを購入する場合、その購入費の二分の一を助成
  •  また、この取組により一定の成果を挙げた事業者には、中小企業制度融資において融資利率を0.6%優遇する特例を創設するとともに、民間から優遇利率を適用したサステナブル融資を受けられる仕組みも構築
  •  これらを通じ、CO2の排出量取引を促進し、中小企業等の脱炭素化を後押し

この事業が先行事例となり、2050年カーボンニュートラルに向けてカーボンクレジットを活用した中小企業の脱炭素化が推進されていくよう期待し、次の質問へ。

ファッション・アパレル産業への支援

次に、ファッション・アパレル産業への支援について伺います。

 ファッションやアパレルの産業は、川上から川下まで多くの中小企業が関わっており、すそ野の広い産業です。コロナ禍で大打撃を受けた産業の一つでもあります。百貨店に婦人服を卸していた創業50年を超える地元企業が外出自粛など影響で廃業をされた話を聞きました。

ようやく街にも本来の活気が戻りつつある今こそ、産業全体を回復させ、更に発展させていくチャンスです。

 Q4都は、来年度、「ファッション・アパレル産業活性化促進事業」を新たに実施することとしていますが、事業の趣旨と内容について伺います。

A4(商工部長答弁)

○ コロナ禍における外出自粛などの影響を受けたファッションやアパレルの分野の事業者を活性化するため、その魅力を発信し、東京のプレゼンス向上につなげることは重要である。

○ 都はこれまで、3月に東京で開催されるファッションウィークに合わせ、ファッション・アパレル産業の企業が中心となって、ファッションショーや被服の展示などのイベントを開催する場合に支援してきた。

○ 来年度は、こうした支援に加えて、地域や民間企業等と連携し、都内の複数のエリアで、ファッションとデザインを軸にした、街全体でファッションの魅力を実感できる様々な体験型の企画やイベント等を展開していく。

○ こうした取組により、東京のファッション・アパレル産業の発展につなげていく。

ちょうど3月18日から都心6エリアで開催されるイベントTOKYO CREATIVE SALONに都が支援しているとのこと。今まではコロナ禍で制約が多かったが、今年からは盛り上げて、来年は更に都内の各地でファッション・アパレル産業が活性化することを期待。

地産地消の推進について

 次に農業について伺う。私は、昨年の事務事業質疑において、都内産農産物の学校給食への活用について質問を行った。地元の野菜を使うことは、農家の販路の確保はもとより、食育の推進につながる大切な取組である。子供たちの中には、日頃食べている野菜の形を知らない子もおり、根がついたままの枝豆など、農家から届いたばかりの新鮮な野菜を見せると興味津々だと聞く。

こうした取組を一層拡大し、地産地消を推進していくため、私自身、地元の区などと意見交換を行っている。

 Q5都では来年度、自治体の区域を越えた取組に対する助成を開始すると聞いたが、具体的な内容について伺う。

A5(安全・安心地産地消推進担当部長答弁)

○ 都は来年度、多摩地域で収穫した野菜を区部の学校等に提供するため、自治体の区域を越えて集荷や配送を行うJA等の取組に対して助成を開始

○ 具体的には、JAやNPO法人等の団体に対し、参加する農家の募集や配送に必要な車両のリース代などについて、3年間にわたり助成。初年度の補助率は3分の2、上限額は1000万円とし、助成金は、年々、団体の自己負担を増やすことにより、その自立的な取組を促す仕組み

○ また、学校給食での東京産農産物の活用を進めるため、教育庁と連携し、学校給食関係団体や生産者団体等を構成員とする食育推進協議会において、都内小中学校の取組状況等に関する情報を共有し、今後の検討に向けた議論を行っている

○ こうした取組により、東京産農産物の利用拡大を図っていく

農業者の出産育児への支援について

 次に農業者の出産育児への支援について伺う。

都内では、新規就農者が年々増加している。その中で、1/4が女性で若い世代の方も多い。これからの時代の都市農業に女性の力が入ることは大変喜ばしい。一方で、農業と出産や育児を両立していくことは、デスクワークと比べても難しいことは明らか。実際に新たに農業を始めた女性経営者がご自身の出産で仕事との両立に大変苦慮されているというお話が上がってきている。

Q6農業経営者に対しても、安心して子育てに取り組めるようなサポートが必要と考えるが、見解を伺う。

A6(農林水産部長答弁)

○ 都は来年度、出産や育児等で農作業を行うことができない農業者への支援を開始

○ 対象は、認定農業者など経営者として農業に従事している方であり、産前の休業期間から、出産後子供が1歳となる日の前日までの間、農業者に代わって農作業を行うアルバイト等を雇用する経費の2分の1について、100万円を上限に助成

○ 子供が保育園に入園できないなど、やむをえない事情がある場合は、3歳となる日の前日まで支援を継続

〇 また、農家を対象にシンポジウムを開催し、家族内での役割分担を明確にし、労働環境の改善につなげる家族経営協定の普及を図っていく

○ こうした取組を通じて、女性をはじめ、すべての農業者が安心して農業経営を継続できる環境を整備

女性の活躍は農業分野においても重要な課題である。ぜひ、しっかりと支援をしていただくことをお願いする。