令和2年第1回定例議会 あかねがくぼ一般質問と答弁の骨子をご紹介します。
目次(クリックで各項目へジャンプします)
録画映像(一般質問2日目・2月28日をご覧ください。)
少子化対策、昭和の常識は捨て去る!
少子化が想定より早く進行しています。特に東京都の出生率は1.20と47都道府県でも最低水準です。
その要因は、未婚率上昇と夫婦出生率の低下という2つの要素に分解されますが、それぞれに対策が必要です。
出生率の低下は多くの国で共通の課題ですが、フランス、スウェーデン、イギリスは一旦低下した出生率を1.8以上の水準に回復させています。いずれも家族に対する社会的支出が対GDP比で約3%を超えており、日本の倍以上の水準であります。
フランスは、非婚率が日本より高いですが、事実婚で出産する人が多く、20代での出産が多いという点が、大きな違いです。また、若い夫婦への助成金と出生率は統計的に有意な相関があるという研究結果もでています。
日本でも未婚率上昇の背景には、価値観の多様化で結婚という形態を望まない人、また結婚するには経済力に不安がある人が増えている点も認識すべきです。
個人が結婚するかどうか、子供を産むかどうかはか、自由が保障されるべきと考えます。
一方で、子育て家庭を支援するという責任を社会全体で負わなければならないと考えます。
前回私の一般質問で要望した「不妊治療助成の対象者の拡大」および「妊娠支援ポータルサイトの開設」を大変評価しております。
その上で、出生率2.07を目指すのであれば、今こそ、
昭和時代につくられた結婚や家族についての固定概念を壊し、令和スタイルに大きく転換していくべき時ではないでしょうか。
例えば
- 事実婚でも差別されることなく子供を産める
- 20代の妊娠出産育児を手厚く支援する
- 子育てが落ち着く30代からでも新入社員として就職ができる
などが考えられます。
Q6 これから子供を持ちたい人がどのような支援を望んでいるのか、的確に捉え新たな政策に繋げる視点が必要です。出生率を回復させているフランスの取組など、他国の事例も含めて調査研究すべきと考えますが、知事の見解を伺います。(知事、政策企画局)
・今後、フランスやスウェーデンなど、出生率を回復させた海外の事例も含め、子供や子育てに関する幅広い調査を行うとともに、組織横断のチームを立ち上げるなど、出生率向上に向けた総合的な対策を全庁挙げて強力に推進。
・ビジョンは、描いて終わりではなく、実行してこそ意味がある。これまでにない大胆な政策を展開し、誰もが将来に夢と希望を持って、楽しくいきいきと暮らせる東京を実現。
Q7:妊娠・出産を希望する方とそのパートナーに必要な正しい情報を提供し、また、多くの方々に「妊娠支援ポータルサイト」を見てもらうように工夫するべきと考えますが、見解を伺います。(福祉保健局長)
・都は今年度、妊娠・出産を希望する方が必要な情報を得られるよう、妊娠に関する基礎知識や、不妊検査、不妊治療、不育症に関する情報等を一元化し発信するポータルサイトを新たに開設
・開設にあたり、妊娠・出産を希望する方に寄り添い、正しい知識を伝えるため、不妊体験を持つセルフサポート団体の協力や、専門医の監修のもと内容を構築
・サイトでは、コウノトリをモチーフとしたキャラクターを設定し、親しみやすいサイトとするとともに、体験談や悩み相談などを順次公開し、繰り返し利用いただけるよう工夫した。また、不妊治療の経験のある著名人の協力を得て周知に努めている。
都は家事支援を通じて保護者の負担軽減を図ることを目的とし、在宅子育てサポートを平成30年度から実施しています。補助率10分の10にもかかわらず、実施したのは62自治体のうち4区市のみであり、せっかくの施策が対象者に届いていない状態で、残念です。
Q8 在宅子育てサポート事業について、より多くの自治体が実施できるように、区市町村の意見も聞きながら、対策を講じるべきと考えますが見解を伺います。(福祉保健局長)
〇 都はこれまで、在宅子育て家庭の負担軽減を目的に、本事業が区市町村で積極的に活用されるよう、事業説明会や訪問による働きかけを行ってきた。今年度からは、区市町村の意見も踏まえ、子供の年齢要件を一歳未満から三歳未満に引き上げるとともに、一度でも保育サービスを利用した場合には事業の対象外としていた要件を大幅に緩和するなど、より実施しやすい制度に改めた。
〇 さらに、来年度からは、令和6年度までに事業終期を延長するとともに、効果的な事例を紹介するなど、より多くの区市町村で取組が進むよう、積極的に支援
女性活躍は一括りにはできない。多種多様なロールモデルを!
女性の就業状況に関し、結婚・出産期に当たる年代に一旦低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇するという、いわゆる「M 字カーブ」は解消の方向に向かっています。
しかし、仕事とプライベートの両立、経済的な自立、DVやセクシャルハラスメントなど、女性を取り巻く課題は様々です。
参考:都民ファーストの会東京都議団による知事への女性政策要望
就活生に対するセクハラが社会問題になっていますが、介護の現場でも深刻です。労働組合による調査によると、介護職の女性の3人に1人がセクハラを受けたことがあると回答しています。上司に相談しても、半数は何も変わらなかった、相談もせず我慢をしている人もいます。
Q9:厚労省の動きとして介護現場でのハラスメント対策マニュアルを作成し取組を進めていますが、都としてはどのような対策を行っているのか伺います。(福祉保健局長)
- 都は介護事業者が利用者などからのハラスメント対策に取り組めるよう、国の対策マニュアルの内容や介護職員の相談窓口を記載したリーフレットを新たに作成。対策を進める上での法的な留意点についての講義が、報告体制の整備など実践的な取り組みをこなっている事業所の事例発表会を実施した。
- 今後とも対策に取り組んでいる事業所を支援していく。
中小企業では大企業に比べて女性の雇用や働きやすい環境の整備が遅れています。その課題解決を促すため、我が会派が要望してきた「中小企業向けの融資に女性活躍を促進する特例枠が新設されること」を高く評価します。
育児や介護のため一度離職した女性に対して、都は再教育、再就職を支援しています。特に、再就職にむけた仕事の斡旋においては求職者の希望に合わせて求人開拓を行うというオーダーメイド求人も実施しており、利用者からも高い評価を得ています。しかし、充
実した再就職支援を都が提供しているということは、まだまだ知られておらず、より多くの対象者に存在を知ってもらう努力が必要です。
Q10 女性一人ひとりのニーズに合った再就職支援の充実を図るとともに、その良さを伝えるために東京動画の活用等も含め、様々なPR活動をより積極的に展開すべきと考えますが、見解を伺います。(産業労働局長)
○女性活躍のさらなる推進を図るためには、個々の実情に応じたきめ細かな就労支援を行うとともに、再就職を目指す女性を掘り起こし、都の支援につなげていくことが重要
○このため都は、スキルアップ講座やインターンシップなど、再就職への意欲を高めるプログラムを行っており、来年度は、本プログラムの受講人数の規模を拡充して実施
○また、こうした都の支援を、再就職を検討している、より多くの女性が利用できるよう、事業内容を分かりやすく紹介する動画やSNSにより発信していくなど、PRを強化
女性活躍といっても、一括りにすることはできません。会社の中で管理職としてキャリアに磨きをかけたい方、子育てをしながら在宅ワークを希望する方、スキルを活かして起業したい方など、様々なニーズにこたえることが重要です。
Q11 東京に暮らす女性の多様な働き方と生き方の実現に向け、都は様々なロールモデルを示しつつ、一人ひとりのニーズに合った支援を展開していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
- 今後、女性の活躍を促進していくには、女性が個性や能力を発揮できる仕事を選び、育児・介護との両立など、ライフステージに応じた多様な働き方ができるよう支援を行うとともに、経営のマネジメントを担える女性人材の育成を図ることが重要
- このため都は、来年度、女性が個々の実情に応じた働き方を選択できるよう、仕事の発見をテーマとした新たなイベントを開催
- 本イベントでは、自らの個性やスキルを生かせる仕事の紹介とともに、女性の視点や感性を生かした創業や、在宅ワークなども含めた多様な働き方を紹介
- また、企業経営を担う女性管理職を育成するため、キャリア形成やスキルアップを図る新たな人材育成プログラムを実施
- さらに、このプログラムの修了生によるネットワークを構築し、様々な業界でリーダーとして活躍する姿をSNS等で広く発信していくことなどにより、管理職を目指す女性を数多く生み出していく
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