出産や分娩はコロナ禍でなくても様々なリスクが伴います。風邪薬さえ飲めません(推奨されない)ので、妊婦さんは体調管理は大変です。

ましてやコロナ禍での妊娠出産となれば、医学的にわからないことが多く、不安にもなりやすいと思いますので、今現在わかっている情報をお伝えし、少しでも安心していただければと思います。

感染しない様に万全の注意をすることは第一ですが、万一の場合、医療体制はどうなっているのか、東京都福祉保健局の担当者、また杉並区の中核病院の産科の後担当者に実情をお伺いしてきました。

◯陽性妊婦の出産事例はまだ国内症例がほとんどない!?

実は、陽性の妊婦が出産した事例は、そもそも国内にはほとんど症例がないようです。

確かに、ほとんどの方が感染しないように気をつけて過ごされているのでしょうから、いよいよ臨月に感染してしまう、というケースは少ないのでしょう。

一方で、妊娠の初期、中期で陽性になった方はそれなりにおられます。その後の経過で、無事に出産されているようです。

統計的な検証は今後になると思いますが、身近に杉並区の事例として、そういう例があることは、少し安心材料ですね。

◯妊婦のPCR検査費用について公的補助を要望し、成立しました!

今でこそ民間PCR検査が安価に受けられるようになりましたが、当初は出産前に検査したくても、コロナの症状がない場合は、高額な検査費用が全額自己負担となっていました。

そこで、都民ファーストの会では妊婦のPCR検査費用について補助するように要望し、上限2万円までの検査費用を補助できるような制度を作りました。

(他にも妊婦検診に行く際などに使えるタクシー代金補助も成立させました。→杉並区の妊婦タクシー

◯いよいよ臨月!検査でコロナ陽性だったらどうなる?

PCR検査で陰性であれば、安心して出産に臨んでいただけると思いますが、問題は万一陽性になってしまった場合です。

実際には、妊婦さんの容体によって対応は様々になります。医学的に最善の対応をすることはもちろんですが、基本的な流れをご紹介します。

①かかりつけ医(出産予定の病院など)から保健所に連絡を入れます。

②保健所(杉並区の管轄)や都病院調整本部(東京都の管轄)が、陽性妊婦が出産できる入院可能な病院を探す。

③入院先病院(転院の場合もあり)へ妊婦を移送、かかりつけ医から情報も連携。

※PCR検査は精度の問題で偽陽性ということもありえますので、その点は注意が必要です。

出産2週間前のPCR検査で妊婦が陽性だった場合のフロー

③退院後も希望者には手厚く支援を実施。・・・助産師や保健師などの専門職が、訪問や電話などで、妊産婦の方の様々な不安や悩みをうかがい、専門的なケアや育児に関する助言や支援を寄り添いながら行います(無料)。問い合わせ先

◯コロナ禍で出産を頑張る妊婦さん、ご家族を社会で支えよう!

妊娠〜出産〜授乳の期間は、特別な女性ホルモンが出でいるとのことですので、普段と味覚が違うとか、過剰に不安になるとか、産後うつなども心配な時期でもあります。

本人が自分の状態を自覚することも大事ですが、パートナーやご家族が「普段とは違う」ことを理解して、精神的にも物理的にも寄り添っていただくことが何より大事なことかと思います。

ただ、コロナ禍で通院や出産に、パートナーも物理的に付き添えない、という状態なので、なおさら出産を挑む女性とその家族にはご負担が大きいものになります。

そんな中で、コロナに負けない東京都出産応援(10万円分の電子クーポン支給)が一助になれば幸いです。

東京都公式ページ「新型コロナウイルス感染症に不安をかかえる妊婦の方へ」https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/covid19-ninpushien.html

杉並区公式ページ「出産等に不安を抱えている妊産婦の方へ」https://www.city.suginami.tokyo.jp/news/r0204/1059728.html