都議会議員のあかねがくぼかよ子です。東京港第9次改訂港湾計画(中間報告)について経済港湾委員会にて質疑を行いました。

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東京港を取り巻く状況

昭和16年に国際貿易港として開港した東京港は、昭和40年代のコンテナ輸送革新にいち早く対応し、ふ頭機能の強化や港湾運営の効率化に取り組んだことで大きな発展を遂げ、今日では我が国を代表する港湾として極めて重要な役割を果たしています。

第8次改訂港湾計画の策定以降、東京港を取り巻く環境は、アジア貨物の更なる増加や船舶の大型化の進展などこれまで以上に大きく変化しています。また、少子高齢化等による労働力不足や、AI・IoT等の情報通信技術の進化など、社会情勢も変化しているため、港湾機能の強化とともにDXを推進することなどにより、物流を効率化し生産性の高い港を実現することが求められています。

一方、首都直下地震等の発生や、頻発化・激甚化している高潮・暴風等のリスクの増大が懸念されていることから、港湾施設の老朽化に伴う更新需要の増加も見通した上で、災害時においても物流機能を維持できること、 さらに、脱炭素社会の実現やクルーズを核とした観光拠点の形成など、様々な分野における 取組が求められています。

https://www.kouwan.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/9ji_chukan.pdf

物流について

○ 東京港第9次改訂港湾計画(中間報告)では、「AI等の最先端技術の積極的な活用や荷役機械の遠隔操作化、コンテナターミナルの一体利用による限られたヤードスペースの最適化」について取り組むとしている。

○ これらの取り組みにより、どのような効果や変化が期待されるのか、順に伺いたい。

Q1  まず、AI等の最先端技術の活用についてだが、コンテナターミナルにおいて、AI等をどのように活用し、どういった効果を期待しているのか、伺う。

A1

・ 大量の貨物を取り扱う東京港のコンテナターミナルにおいて、効率的に荷役作業を行うには、コンテナ船の着岸スケジュールやトラックの来場するタイミングなど、様々な要素を考慮することが必要であることから、ターミナルのオペレーションにAI等の最先端技術を活用することは有効であると考えられる。

・ 例えば、東京港においては、通常、3段から5段に積まれた状態でコンテナを保管しているが、トラックが一番下の段にあるコンテナを引き取りに来た場合、ターミナル運営事業者は、その上にあるコンテナを全て別の場所への移動が必要。

・ その際、AI等を活用してトラックのコンテナの引き渡しのタイミングを予測することができれば、あらかじめ引き渡しが早いコンテナを上段に積むことで、コンテナの引き渡しに要する時間を削減することが可能となる見込み。

・ 都としては、今後のAIシステムの開発動向を注視しつつ、港湾物流の関係事業者と連携しながら、最先端技術の活用によるコンテナターミナルのオペレーションの更なる効率化を目指す。

○ 次に、荷役機械の遠隔操作化についてだが、先日の我が党の代表質疑の答弁において、遠隔操作可能な荷役機械が労働環境の改善等にも繋がっていく旨の答弁があった。

Q2  そこで、荷役機械の遠隔操作化により、業務に携わる方の労働環境がどのように改善されるのか、具体的に伺う。

A2

・ コンテナターミナルにおいては、ターミナル運営事業者が、大型の荷役機械を使用し、来場するトラックにコンテナの引き渡し等を実施。

・ これらの荷役機械は、狭小な運転席で作業員が直接操作しているため、暑さや寒さなど気候の影響を受けやすいとともに、トイレ等に行くための休息も取りづらい状況。

・ このため、近年、海外の主要港では、ターミナルの管理棟などから遠隔操作することが可能な荷役機械が導入され、屋内の快適な環境下で操作できるようになるなど、労働環境の改善に資する様々な効果がみられている。

・ 一方で、こうした最先端の荷役機械は、通常の荷役機械と比べて約2倍から3倍の導入コストがかかることや、導入しようとする民間事業者において労使の合意形成を図る必要があるなど、その導入に向けては様々な課題もある。

・ 都としては、荷役機械の遠隔操作化を進めようとする民間事業者と十分に連携して、その取組を後押しすることなどにより、港で働く方々の環境改善に取り組んでいく。

○ 次に、コンテナターミナルの一体利用について伺いたい。狭隘な東京港において、大量のコンテナを効率的に処理していくためには、限られたヤードスペースをいかに有効活用していくかがカギとなるとされている。

Q3  今回の中間報告において「コンテナターミナルの一体利用により限られたヤードスペースの最適化」を挙げているが、これによって具体的にどのようなことが実現できるようになるのか、伺う。

A3

・ 現在、東京港においては、コンテナふ頭毎に、複数のコンテナターミナルが整備されており、例えば、大井コンテナふ頭では4つのコンテナターミナルがあるが、それぞれ個別に運営。

・ ターミナル毎に利用する船会社が異なることから、岸壁やヤードなどの施設は、季節や曜日、時間帯によって、ターミナル間で混雑の度合いに差が生じている状況。

・ このため、隣接するコンテナターミナルを一体的に利用することで、例えば混雑している岸壁に着岸予定の船を、隣接する空いている岸壁に着岸させるなど、ふ頭の施設を有効活用することができ、全体の処理能力を向上することが期待。

○  3点の取り組みについて質問したが、東京港の機能強化に当たっては、ハード整備とともに、先端技術などを活用したソフト対策を組み合わせて行うことが肝要である。

○  世界から選ばれる東京港の実現のため、しっかり取り組んでもらいたい。

防災・維持管理について

  •   第9次改訂港湾計画の中間報告では「大規模地震や台風・高潮等の災害時にも物流機能を確実に維持する強靭な港を実現させるため、耐震性の高い港湾施設を整備するとともに、電源設備等の浸水対策に取り組む。また、背後圏への陸上輸送維持のため、臨港道路等や埠頭敷地における無電柱化に取り組む」とされている。

〇  大規模災害の発生時に、倒壊した電柱が道路等を塞いでしまうと、港から緊急物資等を輸送できなくなることから、こうした事態を防ぐために無電柱化の取組を着実に推進すべきと考えるが、

Q4  無電柱化の対象となる範囲と現在の取組状況について、伺う。

A4

  •  東京港では、令和3年6月に改定した東京港無電柱化整備計画において、無電柱化の整備対象を東京港内の全ての臨港道路及びふ頭敷地等としている。
  •  このうち、防災上重要な緊急輸送道路における整備対象約44キロメートルを優先的に整備していくこととし、2035年度までに完了させることを目指す。令和4年度末時点で、約25キロメートルの電線共同溝等の整備を完了。

  ・  また、それ以外の臨港道路等については、2040年度までに、整備対象の約42キロメートルを完了させることを目指しており、これまでに臨海副都心及び東京2020大会競技会場周辺の道路において、約17キロメートルの整備を完了。

環境について

〇 第9次改訂港湾計画の中間報告によると、東京の内陸部では、廃棄物最終処分場の確保が困難であるため、循環利用できない廃棄物等を適正に処分する海面処分用地を今後245ha確保するとされている。

Q5  新海面処分場の整備について、これまでの整備状況とこれに係る事業費はいくらか、伺う。

A5

  •  新海面処分場は、都内23区で発生する一般廃棄物やしゅんせつ土等の受入を行っており、東京港内で確保することができる最後の処分場。
  •  整備については、AブロックからGブロックまでの計7ブロックにわけて進めており、平成8年度にAブロックに着手して以降、これまでA、B、C、Gの計4ブロックを完了させ、現在はDブロックの整備を推進。

  ・ これまでに着手した5ブロックは、合計で約300ヘクタールであり、これに係る事業費は計約3,200億円。

○ 新海面処分場の後、東京港内に新たな埋立処分場を確保することは困難である。そのため、現在の埋立処分場をできるだけ長期間にわたって使用していく必要がある。

○ 環境省が発表した令和3年度における最終処分場の残余年数は、全国平均で23.5年とされているが、

Q6  新海面処分場を長期間使用していくためにどのような延命化策を講じているのか、また、残余年数はどのくらいあるのか、伺う。

A6

  •  新海面処分場は、東京港最後の最終処分場であることから、延命化策を講じることで、できる限り長期に渡り使用できるようにすることが必要。
  •  このため都は、新海面処分場内の海底面を掘り下げる深掘り工事や、これまで埋立を行った地盤等を圧縮・沈下させる沈下促進工事を実施し、受入容量を増大。
  •  また、既に受け入れたしゅんせつ土を掘り返し、脱水・改良を行って土木材料として有効活用する取組も実施することで、さらなる容量を拡大。

 ・ 残余期間については、今後の経済状況や新技術の進展など、将来における処分量が捉えにくいため、正確な推計は困難であるが、現在の処分量から類推すると50年以上は使用できる見込み。

https://www.kouwan.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/R4.2umetatesyobunkeikaku.pdf

観光水辺のまちづくりについて

〇 中間報告には、水辺のさらなる魅力向上に向けて、様々な取組が計画されている。

〇 東京港の水辺は観光資源としてポテンシャルがあり、さらなる賑わい創出のため、水辺を生かした空間の整備を一層進めるべきである。

Q7  特に、賑わい創出や水辺のレクリエーションを安全に楽しめる環境づくりをすすめていくためには、民間事業者との連携が重要であると考えるが、今後の取組について伺う。

A7

  • 臨海副都心では、水辺を生かした魅力的な空間の創出に向け、進出事業者に対して、憩いの場となるオープンスペースの設置を誘導するとともに、事業者との連携により大規模なイベント実施するなど、賑わいの創出に取り組んできた。
  • また、昨年度には、民間事業者の創意工夫を取り入れる取組として、海上公園施設の整備・運営では初となる、官民連携事業を晴海ふ頭公園において導入。具体的には、民間事業者がコワーキングスペースを併設するカフェを設置し、来園者や地域の方のくつろぎや交流の場として機能。
  • こうした取組を踏まえ、水辺の更なる魅力向上やレクリエーションに親しめる環境を更に拡充していくため、現在整備を進めている有明親水海浜公園においても、官民連携事業を導入。

 ・ 今後も民間事業者との連携を一層図り、水辺空間の賑わいや魅力創出に努めていく。

Q8   まちの魅力向上や更なる賑わい創出には、デジタルテクノロジーを一層活用していくことも重要であると考える。特に臨海副都心は、スマート東京先行実施エリアであり、自動運転技術を活用した取組みをより一層加速させていくべきと考えるが、今後の取組を伺う。

A8

 ・ 臨海副都心では、デジタルテクノロジーを活用してエリア全体の回遊性向上と賑わい創出を目指す取組として、自動運転車両の実装に向けた取組を推進。令和3年度から公園内、令和4年度からは公園に加え公道において自動運転車両での走行を開始し、利用者ニーズを把握するとともに、交通管理者等と協議しながら、円滑な運行、安全性の検証等を実施。

 ・ 今年度は取組を更に加速させるため、公道エリアでの走行ルートを大幅に拡大するとともに、自動運転車両についても、これまでのバスに加え新たにタクシー車両を導入するなど、より実装に近い形で走行させる予定。

 ・ 今後も自動運転車両の実装に向け、交通管理者等と協議を重ねるとともに、臨海副都心エリアに即したビジネスモデルの構築に取り組んでいく。

〇 自動運転サービスの社会実装に向けては、様々な課題があると思うが、早期実装に向け、取組を継続してほしい。